06/17/08
人材派遣と生活保障1(労働基準法6)
実は、前回紹介した30日の解雇予告制度(労働基準法)は、被雇用者に対するものであって、人材派遣に対しては何の効力もありません。
労働契約法(平成十九年十二月五日法律第百二十八号)によっても保護されないでしょう。
そのために「・・の精神」と表現したのです。
人材派遣の場合には、派遣される人は派遣元との契約に基づいて派遣先の第三者企業に派遣されるだけであって、派遣先とは雇用関係にないのです。
運送屋の従業員が、行った先の引越しを頼んだ家の人とはなんらの契約関係がないのと似ていると言えば分かりいいでしょうか?
労働基準法(昭和二十二年四月七日法律第四十九号)
第一章 総則
(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
(定義)
第9条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
(解雇の予告)
第20条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
しかし、契約形態はどうであれ、一個の人間として見れば職の安定を求める必要性・・その保障をする必要性は同じことです。
第1条の原則は、すべての労働者に妥当するはずです。
第1条には、「・・・労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」とあるのですが、契約形態の違いを理由にして、いつクビになるか分からないのでは、不安で仕方ないでしょう。
これでは、日給だけが最低賃金以上であっても「人たるに値する生活・・」の保障と言えるでしょうか?
昔は、血の出るような怪我をしなければ警察も相手にしなかったのですが、いまは、付きまといその他心理的苦痛も保護しなければならない時代です。
労働条件も「その場だけ食えればいい」と言う時代ではなく、一定期間先の生活保障の有無が現在の幸不幸を決めるのですから、将来の保障・・精神的分野も重視されるべき時代が来ているというべきでしょう。
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