06/12/08
精神障害者の事件は増えているか?2(医療観察法9)
社会防衛のために、この種の程度の人をあらかじめ隔離することを始めたら、国民の大多数を隔離しければならなくなってしまうでしょう。
ここ数日社会のソフト化を書いてきましたが、現在の若者は粗暴ではない・柔和・やさしいのですが、その分内面にストレスがたまりやすく、これが爆発すると柔和な人が思いがけない凶行に走ることになります。
この種事件を起こす人は、刑の重さどころか、検挙されるかどうかも気にしていません。
この種事件を減少させるには、警察の検挙率を挙げてもどうにもならないでしょうから、ストレス緩和策・・精神医療関連業界の責任・・分野です。
病気になってから来る大掛かりな医師・・医療施設だけではなく、もっとその前段階でケアーする周辺職種の陣容強化が必要な時代が来ているのです。
最近の凶悪事件・・しかも耳目をそばだてる事件は、こうした傾向の事件が多く、これを従来基準では理解困難なことから、すべて精神病質・異常な事件などとして片付ける風潮があります。
しかし、普段から粗暴な人が気質の赴くままに粗暴な事件をおこすのではないからといって、精神異常と決め付けるのは間違いです。
事件を起こしてから医療観察法で隔離しても間に合わないのです。
実際これまで、心神喪失者等医療観察法の事件でかなりの事件を担当していますが、この法律がなかったから事件を起こしたのではなく、この法律があろうがなかろうが、毎年一定数の精神病者による事件が起きているのです。
この法律は、事件発生の事前防止目的ではなく、事件を起こしたもの・・過去形ですが・・が再び事件を起こさないようにするという後追い制度でしかありません。
この法律の目的(第1条)は、既に事件を「行ったものに対」するものであり、入通院命令も、「同様の行為を行うことなく」するためのものです。(42条)
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
(平成十五年七月十六日法律第百十号)第一条 この法律は、心神喪失等の状態で重大な他害行為(他人に害を及ぼす行為をいう。以下同じ。)を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする。
(入院等の決定)
第四十二条 裁判所は、第三十三条第一項の申立てがあった場合は、第三十七条第一項に規定する鑑定を基礎とし、かつ、同条第三項に規定する意見及び対象者の生活環境を考慮し、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める決定をしなければならない。
一 対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、入院をさせてこの法律による医療を受けさせる必要があると認める場合 医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定
二 前号の場合を除き、対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合 入院によらない医療を受けさせる旨の決定
三 前二号の場合に当たらないとき この法律による医療を行わない旨の決定
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