06/11/08

精神病院の入院期間2

公的事業・・競争の弱い医療や刑務所などでは、わがままが通るので、先祖からの現状維持・濃厚サービス(わが国の特徴である集約農業もその1種です)の血が騒ぎ、方針転換にはなじみにくいのです。

こうして、これらの分野では長い間に世界標準から大きく差がついてしまい易いのです。

これが癩病政策で、隔離をやめることにした世界標準からかけ離れた結果を生み出した元凶でしょう。

話を精神病院の入院期間に戻しますと、こうした事情・・病院への隔離中心から方針を転換して周辺の受け皿の整備を怠っているだけの話ですが、これは伏せたまま、精神病院では退院後の服薬や通院指導ができないから、安易に退院させられないのだと言い訳?されています。

その結果医師不足、医療費の国民負担の増大になって来るのです。

心神喪失者等医療観察法(平成15年)の目的とするところは、結局は強制入院制度ですが、わが国特有の長期入院に対する諸外国の批判によって、入院患者が徐々に減って来た危機感から、その反作用として生まれたものかもしれません。

もしかしたら、この法律が出来たのも、入院期間短縮の世論に押されて、空きが目立ってきた入院施設やスタッフの有効利用が真の目的だったのでしょうか。

心神喪失者等医療観察法の制度創設の最初は、09/17/06「収容人員数と刑の長短」のコラムでも紹介しましたが、関東近辺では東京武蔵野病院だけだったのが、昨年から、千葉県にもこの制度専門の入院施設が新たに出来ています。

沖縄で入院命令を受けた患者が千葉の施設に入院していたので、昨年5月ころに6ヵ月ごとの更新の関係で担当しましたが、面会に行くと、その患者は九州の方で施設ができたのですぐにも移動すると言う話でした。

こうして、この施設が各県にひとつづつ順次出来ていくのでしょうから、(入院施設を減らすのではなく膨大な施設やスタッフの増加となります)デンマークの例で紹介しましたが、結果的に欧米で既に完成している入院数の減少政策に反する入院者増加政策の採用に踏み切ったとも言えるのです。

これは新たな政策の決断というよりは、前回書いたように従来政策の追加サービスの範疇に入る後ろ向きへの政策変更でしょう。

医療観察法による強制入院制度は監視付きで(ガードマンが警備していて、われわれ弁護士の出入りも刑務所並に厳重です。・・こうした特需も発生しているのです)ものすごくきめ細かな?濃厚治療が施されていますが、まさにこのために医療界全体では朝鮮特需のような観を呈しているのです。

審判のために約1〜2ヶ月の鑑定入院が命じられますが、これがまた高額で受託先にとってとてもおいしい仕事になっているのです。

 



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