06/10/08
ソフト社会と必要なインフラ4
精神科医と一般的な話をしていても、一定期間経過で入院の不要な患者がいるが、その後のフォローが心もとないので、入院したままになってる患者がいっぱいいる感じです。
ここで言う患者は、いわゆる社会的入院の一種でしょうが、本来の意味での社会的入院とは一味違います。
統計上の社会的入院とは、完全に退院は可能であるが、引き取り手がいないために帰ることが出来ない患者(たとえば帰るべき自宅がない・・身寄りがいないなど)だけを、社会的入院として分類しているのでしょう。
退院後の服薬指導や具合悪くなってきたら、早めに病院へつれて行くなどの周囲の保護環境が弱い場合も、一種の引き取り手不在と似ていますが、それは個々の家庭の責任問題ではなく、社会のインフラ不足の問題です。
老人介護も個人の問題・・孝行心の有無ではなく、社会の受け皿の問題であると言われるようになりましたが、精神病者に対しても個々人にこうしたことを要求するのは無理ですから、中間的施設の整備やソーシャルワーカーの巡回指導その他のインフラ不足の問題なのです。
ところで、普通の病気の場合、手術した直後患者自身が動けないから動けるようになるまで入院していることが多いのですが、精神病入院の場合、急性期でも投薬してじっとさせているだけです。
この時期には、場合によっては拘束が必要なのは理解できますが、急性期治療が終了し(幻聴などが消失し)て安定期になれば、拘束的入院の必要性が薄れます。
その後は、外科手術の場合とは違い治療といっても殆ど服薬するだけですから、何のために入院して・拘束していなければならないのか疑問です。
もちろん急性期を脱したといっても、一定期間の経過観察が必要でしょうが、その後の場合です。
最近は、作業療法なども併用するようになりましたが、それも通院しながらの参加が可能です。
(むしろ社会復帰の準備行為ですから、通院治療に向いている患者の方が多いでしょう)
あるいは、作業療法などは大きな病院に併設するだけではなく、通いやすいようにもっと各地(精神病院から離れた場所)に分散した小規模なものでもいいはずです。
たとえば幻聴や妄想が収まれば、後は通院しながらでも服薬し続ければ入院中と治療行為は同じですから、すぐに退院させて通院に切り替えても差し支えないはずです。
その方が、体力に問題がないのにじっと病室に閉じこもらせているよりは、よっぽど精神的にも健全でいいでしょう。
薬を飲んでも1年も2年も幻聴などが収まらないことは、特殊例外を除いてないのですから、本来なら短期間で殆どみんな退院できるはずなのです。
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