06/09/08
ソフト社会と必要なインフラ3
いずれにせよ、ソフト化社会では、犯罪抑止には、刑の重罰化というよりは、発生可能性を早期発見して抑える方向への努力が求められているのです。
病気になりそうな人が来ても「腹痛になってから来て下さい、そのときにはすぐ手術します」と言って追い返すだけでは、今や、医療機関もやっていけません。
その前の段階の微妙な体調変化にも、対応できるべきことは対応するのが、現在の医療です。
警察もせっかく相談に来ているのに、「事件になったらすぐ逮捕します」と言うゴツイ対応だけではなく、社会意識の変化にあわせた取り締まり側の迅速・・・柔軟対応・・抑止行動こそが重要です。
ストーカー法DV法のコラムでも書きましたが、社会が求めているのは、懲役刑や罰金を一割や2割重くしたり、あるいは2倍にしてほしいのではなく、迅速対応、柔軟対応なのです。
時代が求めているのは、刑務所に入れるか入れないかと言うハードな事件処理ばかりではなく、社会は軽微な事件あるいは前段階に対する柔軟・迅速対応を求めているのですから、刑罰法令の量産や重罰化の合唱でごまかすのは筋違いです。
病気も手術・入院患者ばかりではなく、街中のクリニックの需要が多くなっているのですが、手術中心の医師よりは、リハビリ療法士やケースワーカーの役割が増えているように、コワモテの刑事ばかりではなく、別種の周辺職種が要請されているのです。
刑を重くし、刑務所の充実ばかりに意を注いでいる政府の対応は、手術設備ばかり充実していてなんでも手術に持ち込もうとして、日常の医療活動・・医療相談あるいは、退院後のケアーをおざなりにしている医療機関のようなものでしょう。
精神病院も、入院か通院かの二者択一ではなく、退院後のケアーが重要になっているのですが、このソフト関係の発達がなかなか進まないのです。
これは医療機関側が、簡単に退院させないから、受け皿が発達出来ないという側面もあるでしょう。
医療観察法事件を担当していると、医療観察法による入院が必要か精神保健福祉法の措置入院で足りるかが実質的争点になることが多くなります。
実質的争点と言う意味は、この問題は、昨年の最高裁判決(小法廷ですが・・・)で一応の決着が付いていて、(私はその判断には反対ですが・・・)表向きのテーマにし難いからです。
そこで、正式テーマとしてではなく、事実上の意見交換過程での話題として出るのでですが、判断の決め手として、本人やその保護者には通院継続能力がない・・医療観察法による入院の場合には退院後も決め細かいプログラムがあるからいいのだという意見が大きなウエートを占めています。
法律論は別として、実際の判断を左右しているのは、一般社会での中間的受け入れ体制の貧弱と言うに帰するのです。
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