06/08/08
犯罪減少と刑の重罰化(公益事業の発想)
ここ10年ばかり政府の意を受けたマスコミの猛烈なキャンペインで、実態とは逆に無謀運転による死者が増えているような錯覚を持っている人が多くなっているのです。
大規模キャンペインの結果、危険運転致死傷罪の新犯罪類型を作るなどに成功して、ここ数年では、裁判例でも交通事故関係の量刑相場は約2倍に上がってきた感じです。
犯罪が半減しても刑・・滞在期間が2倍になれば、刑務所は、これからもやっていけるという役人の計算でしょう。
最近は影を潜めましたが、約4〜50年も続いていた地方でのバスその他公共交通機関の顧客離れと似ています。
バスが10分に1回に運行して客が半分しか乗らないとすれば、20分に1回にすれば、客が倍になってちょうど満員になる計算でした。
役人の発想は、こんなところですが、役人の仕事や公的事業は地域独占が多いので、サービスを良くして客を増やすよりは、こういう発想になりやすいのです。
客のほうは、20分に1回が40分に1回さらに1時間に1回と減らされれば不便ですから、たまたま、モータリゼーション化の時期と重なったものですから、他の交通手段・・マイカーに流れていきました。
これを1時間に1回2時間に1回と減らして行けば、いよいよ客が逃げるのは目に見えているでしょう。
ビールの税率を上げると発泡酒に逃げるし、タバコを1000円に上げれば吸う人が減るという次第で、計算どおりにはいきません。
犯罪が減って服役者が半分になってくるならば、重罰化して刑を2倍にすれば刑務所はちょうど満杯ですが、客(犯罪者)の方もそんない長く入れられるのでは、叶わないと交通事故など起こさなくなればイタチごっこです。
ま、それはそれで、(タバコを吸う人が減るのも)社会のためにいいことですが、犯罪と言うのはバスに対するマイカーのような代替手段がないので重罰化しても、それだけでは減らないのです。
重罰化傾向と犯罪の増減関係については、経済犯にはある程度効果があるが、自然犯には関係がないと書いたことがあります。
しかし犯罪の多数を占める痴漢、けんか、殺人、汚職その他多くは、犯罪者の殆どが犯罪を実行する前に、見つかったら刑が懲役3ヶ月か6ヶ月か?あるいは10ヶ月かと言う、採算を考えて計算づくでやる人はいないのです。
一流企業社員・公務員にとっては、痴漢や汚職で捕まれば、人生設計が真っ暗ですから、服役期間が3ヶ月ならやるが6ヶ月ならやめるという計算で痴漢や汚職しているものではありません。
ですから、本当に犯罪を減らすには、刑罰の軽重によるのではなく社会意識の研究が必要です。
しょっちゅう服役している暴力団員は別として、一般社会人にとっては、先ずは検挙されて犯罪者の烙印を押されるかどうかに、ものすごいウエートがあるというべきでしょう。
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