06/03/08

優生保護法改正(廃止)経過3

以上見てきたように、優生保護法の改正法を見ても、らい病者に対する優生手術の削除規定は出てきません。

残された条文を安易に見ると、いかにも元は遺伝性のものだけが手術対象であったかのような印象に仕立て上げる・・・一見するとらい病者に対する優生手術強制の歴史を抹殺する役割を果たしているのです。

ライ病者に対するの優生手術をしていたことが痕跡をなくしてしまえるように、入り組んだ改正をしたのでしょうが、ごまかすのに長けた役人の能力には、感心します。

倒産した会社などが、元の関係をわかり難くするために商号の変更や本店移転を繰り返すようなものです。

こういう場合でも、根気よく追っていけば分かるのですが、優生保護法の場合は別の法律で改正しているので、優生保護法だけ改正経過を追いかけても見失う可能性が大です。

専門の研究家は別として、ちょっとインターネットで検索している人に対する隠蔽効果は大でしょう。

隠蔽する気がなければ、単純に新しく母体保護法を制定し、優生保護法を廃止する法律を作れば、(この場合、新しく作る母体保護法の附則に「優生保護法(昭和何年第何号)を廃止する」と言う簡単な条文1条だけで足りるのです)廃止された優生保護法も原型で残るし、後世の人が研究するのに分かりよかったはずです。

厚生官僚の汚点を隠したい気持ちが、ひしひしと伝わってくる改正経過と言えるでしょう。

話がライ予防法にそれていきますが、らい病の問題点は、遺伝性も社会に対する害悪・・伝染性もはっきりしないのに、何か不都合なことがある・・ちょっとしたことでは対処不能になると、為政者・あるいは担当者の責任逃れ的発想で、直ぐに「伝染する・神罰だ、祟りだ」とか、「遺伝」だとか言って、問題をそらし、毛嫌いする俗な風潮が社会の基本にあることが大きな原因でしょう。

江戸時代までも、らい病になると非人に落とされる仕組みだったとも言われます。

非人については、12/29/03「身分とは?6(中世社会5)(エタ、非人)」前後で紹介しました。

(「言われます」とか「・・のようです」と書いているのは、私が文献等で事実確認していないという意味です)

・・・・・水俣病もそうした風潮で、被害者の立ち場に立とうとせず、最初は村八分にされるような傾向で、被害者は二重苦に遭っていたのでした・・・。

学校のいじめの発生も初期のころには、先生が率先して、全体の流れについていけない子供に対し、汚い、などという指標でいじめを誘発していたのと同じです。

先生もサジを投げていると言うイメージを振り撒いて、これに迎合する生徒がイジメに走っていたのです。

非合理な差別が発生するのは、為政者の責任逃れ体質の強度と国民レベルの問題といえるかもしれません。

こうした俗な誤った議論に耳を貸さずに、見識のある政府・・・・別に偉いというのではなく、正確な医学情報を持っている政府のあるべき姿としては、合理的救済に道スジをつけるべきでした。

 



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