06/02/08
優生保護法改正(廃止)経過1(らい予防法の廃止に関する法律)
こんなに変わるならば、優生保護法を廃止して別の法律・・母体保護法を新たに作るべきであったでしょうが、あえて優生手術関係条文のそっくり削除と言う方法をとって、法律名もそっくり変更と言う方法をとったのは、それなりの意味があったのでしょう。
しかも、条文の削除についても一度にやらずに、手の込んだ方法がとられているのです。
すなわち、戦前の国民優生法以来の優生手術の基本となる第3条1項3号・・ライ病者に対する部分については、この法律で削除しないで、わざわざ別の「らい予防に関する法律の廃止に関する法律」で先に削除されているのです。
この廃止法は8年の第28号(3月)で、優生保護法が母体保護法に変わったのは同年第105号(6月)ですが、どちらも同じ136通常国会で成立しているのです。
優生手術廃止の主張は野党もしていたのですから、いわゆる対立法案ではありませんから、一括処理出来た筈ですが、わざわざ飛び番にして成立させて関連を分かり難くしているといえるでしょう。
らい予防法の廃止に関する法律(平成八年三月三十一日、法律第二十八号)
第百三十六回通常国会
第一次橋本内閣
改正平成一一年七月一六日法律第八七号第一条らい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号)は、廃止する。
以下省略
(経過措置)
1〜5条省略
(優生保護法の一部改正)
第六条 優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第三号を削り、同項第四号中「虞れ」を「おそれ」に改め、同号を同項第三号とし、同項第五号中「且つ」を「かつ」に、「虞れ」を「おそれ」に改め、同号を同項第四号とし、同条第二項中「前項第四号及び第五号」を「前項第三号及び第四号」に改める。
第四条第一項第三号を削り、同項第四号を同項第三号とし、同項第五号中「姦淫されて」を「姦淫(かんいん)されて」に改め、同号を同項第四号とする
「ライ予防法廃止の法律」というまったく別の法律で優生保護法改正前の3条1項1号から3号・・ライ病者の分です・・の削除をして、これの条文をなくしてしまい、4号を3号に繰り上げたうえで、6月に成立する優生保護法改正法で4条以下削除という手の込んだ形にしているのです。
これでは、母体保護法に変わった後の条文だけを見ると、そのとき変わったのは4条以下の削除だけに見えます。
らい病者や精神病者に対する優生手術は3条に書かれていたのですから、これでは削除された4条以下がどうなっていたかを知りたくてを復元してみたただけでは、それまでらい病が断種術の対象にされていたことが分からない仕組みです。
改正後の母体保護法で3条の但し書きから、精神病者が削除されているのは、旧同条の各号から、新法では精神疾患が無くなったからです。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
