06/01/08
優生手術(刑法99)
過去の担当者の責任追及がないばかりか、誤りを認めた勇気のある現役が責任を取らされる仕組みですから、いったん間違ったことをはじめて、それが誤りだと判明しても、自分の任期中は誤りを認めないという頑固な政策が、長期に継続する元凶になっているのです。
見直しを拒む公共工事については、01/28/03「止められない公共工事(無修正主義の問題点 3)」前後で紹介しました。
ハンセン氏による1880年代における発見以来、らい病は感染によることが判明していたのに、遺伝性があるかのように優生手術をしたり、懲罰拘束制度を創設して待遇改善運動の弾圧をしたり、優生法成立前から断種手術を率先実施していた人が、斯界のドンとして?勲章を貰っているのはおかしいでしょう。
そもそも優生法ができる前には、もしも中絶していれば本来刑法の同意堕胎罪に当たるはずでしたし、優生手術自体は、傷害行為ですから法で特に規制がない以上は、何でもできるのではなく、治療行為ではないので、正当業務行為といえないのです。
そうなると、違法性阻却事由にあたらないので、傷害罪が成立するはずです。
傷害行為があっても、被害者が訴えないなら不問にするのが普通ですが、この場合同意といっても事実上の強制ですから、被害者が同意しているから立件しないというのはおかしいでしょう。
検察は大目に見てきたのです。
刑法
第29章 堕胎の罪(堕胎)
第212条 妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、1年以下の懲役に処する。
(同意堕胎及び同致死傷)
第213条 女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、2年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(業務上堕胎及び同致死傷)
第214条 医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、3月以上5年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、6月以上7年以下の懲役に処する。
ライ病を感染症だから隔離すると言いながら、他方で、遺伝を前提とする断種術の対象とするのは矛盾でしたから、違法性阻却事由には当たらないでしょう。
まして、医学界では、戦時中から治療薬が開発されていたので、風邪引きその他の普通の感染症としての扱いで良かったのです。
しかも、風邪とは比較にならないほど感染し難いのです・・・めったに感染しないので遺伝と誤解されていたともいえるでしょう・・・これを無視して、戦後さらに隔離政策や優生手術政策を強化していったのは、ひどい過ち・・・過失ではなく、故意犯でした。
こうした批判が強まってきて、ついに「らい予防法の廃止に関する法律(」平成八年三月三十一日、法律第二十八号)が出来、同時に優生保護法も母体保護法と改題されたのです。
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