06/23/07

相続税法44(配偶者相続の非課税と税の本質2)

「配偶者が相続したときは、そもそも相続税が発生しない制度が正しい」
と言う、私の考えからすれば、特別控除の割合の問題ではないのです。
まして、恩恵どころではあり得ません。
私の意見は、配偶者が現に取得した分、例えば住んでいる家1軒と老後資金としての預金、有価証券など全部を取得したとしても、(仮にこれが100億円あったとしても!)奥さんが取得した限りでは、全額控除すべきだと言うことになります。
江戸時代の家督相続もその都度、君主による承認が必要であったことを、01/19/04「江戸時代の婚姻と相続制度 1」以下で連載しましたが、
相続税は、「明治の日露戦争の戦費調達のためにで始まった歴史の浅い制度である」と、紹介したことがありますが、精神的淵源は
    「代替りに対する名義書換料が相続税の原始形態」と言えるでしょう。
そして、今では、従来どおり忠勤に励めるかどうかが基準ではなく、財産承継に対する名義書換料に変わったと言えるでしょう。
話が変わりますが、こうした精神構造は、地主の借地人の相続に対する名義書換え料請求の精神と同じです。
ただし、これは相続だから名義書き換えではないという、われわれ法律家のへんな論理で法律的には通らないことになっていますが、地主の言いたいのは、転売の書き替えという意味ではなく、世代交代に対する君主の承認料と同じ発想・・意識の引継ぎなのでしょう。
ですから、君主の承認料が相続税に変わってきたように地主の本音は、相続税のようなものがほしいだけですが、現在社会では相続を理由にお金を取るのは、税金以外には許されないということでしょう。
現在の相続税は、資産保有者の世代交代に対する税金になったとしても、私の意見は、配偶者の相続は、
「配偶者相続は、子孫の相続とは異なり、代替りではないから問題にならない。」
と言う相続税の本質論と、現在社会の一致した思想・平等論から行っても
    「配偶者相続は、生まれによる不平等や不労所得には、何の関係もないから」
と言うものです。
ただし、配偶者非課税の主張は、考え方を言ってるだけであって、実際に配偶者相続の非課税制度を創設するには、それなりの手当てが必要です。
これまで相続分のコラムで何回も書いていますが、例えば、07/11/03「老人の再婚5(相続)」などで何回も書いているように、婚姻期間が一定期間以上とか、婚姻した年齢その他の条件設定が必要になるでしょう。
(被相続人の遺産取得時期と婚姻時期との合致など・・・。)
そうしなければ、配遇者死亡後順次再婚(偽装結婚もあるでしょう)を繰り返していけば、いつまでも相続税を免れることになってしまうからです。



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