06/19/07
刑事処罰制度と破産免責1
刑事事件の実務上、示談(被害弁償)したかどうかで、検察段階では、処分を1ランク落として、起訴猶予や罰金にしたりしています。
裁判になっても、裁判中に示談すれば、裁判所は執行猶予にしたり、実刑でも一定の期間を減じるなど刑罰を軽くしたりするのは、そうした配慮からです。
刑事裁判になってからでも、民事的にある程度弁償したした場合、刑事処罰が罪一等減じられる扱いです。
刑事と言っても、そんな安直なものかと思うでしょうが、これが事前に弁償された場合を考えれば、すぐに分かると思います。
使い込みなどが発覚しても、会社に全額弁償すれば、被害を受けた会社は社内処分としての懲戒解雇処分をするものの、刑事告訴まではしない扱いが普通であることと比較すれば、これが1段階ずれただけのことなのです。
刑事では、結果無価値と行為無価値と言う言い方があって、違法行為によっていったん水面下に沈んだマイナス価値が、被害弁償や謝罪によって被害金品や被害感情が回復されて、水平に戻れば処罰の必要用性がなくなると言う考えです。
ただし、殺人などの重大犯罪では、遺族や被害者が許すと言っても、国家秩序維持の機能から許すことが出来ないので、それ相応の処罰が待っているのですが、これは、刑罰には、被害者の被害回復と国家の秩序維持機能の2本立てで、出来上がっているからです。
(身近な例では、交通事故などでは、示談が出来て被害者が処罰を求めないと言っても、一定以上の傷害が発生していると刑事事件は別に進行します。)
国家秩序維持プラス被害者の私的損害(物損だけでなく慰謝料=被害感情の)回復の2本立てが刑事機能ですから、秩序維持機能よりは個人の被害回復のほうが重視される分野(財産犯関係)では、被害回復しさえすれば告訴しないし、告訴もないのに警察が勝手に動かないと言うのが、前記の懲戒処分だけで済ませて刑事告訴しない慣例です。
(万引きなども、その場で誤って済ませる事例の方が多いのです)
このように、個人的被害が刑事事件に発展する場合の多くは、被害回復不能な場合が中心ですが、破産の場合にも被害回復(支払い不能が破産の理由です)不能ですから、真に犯罪行為であるならば、警察がしっかり事件にすべきなのです。
被害弁償が出来ないことを理由に刑事事件で処罰したのに、その後に破産手続きになったときに、さらに民事的な免責をしないとして追い討ちをかけるのは2重処罰(やり過ぎ・・!)みたいな感じです。
普通の人は、刑事事件になると、加害者本人に支払い能力がないだけで開き直る人は少なく、能力を超えてでも支払いをしようと必死に金策するものですが、それでも、被害弁償するお金を用意できない人は、・・本人だけでなく、親族その他あらゆる資源を使い尽くしてもどうにもならない場合です。
刑事で服役した人の懐は、乾ききった雑巾を絞るようなものですから、こういう人をさらに非免責にして、追求するチャンスを残してどうしょうというのでしょうか?
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