06/18/07
非免責債権7(破産法22)雇用関係債権
ところで、免責と非免責債権との違いは何かと言うと、法的手続き・・強制執行が許されるかどうかの基準です。
その意味で考えると、夫婦生活費や養育料ならいつも払うべきかと言うと、同居している夫婦親子は別ですが、強制執行を前提にすると言うことは、別居していて経済・懐が別の場合を前提にしていることが分かるでしょう。
こういう場合には、夫婦親子と言っても他人よりもシビア−な関係です。
破産者が病気で生活保護を受けているような場合には、それも無理でしょう。
機械的に非免責債権を決めるのではなく、この種の債権については事案によることにすべきだと言うのが私の意見です。
ましてや、離婚の慰藉料などのまとまった金額は、(これを悪意の不法行為債権であるとしても・・の話です)実際に払いようが無いのが現実でしょう。
これが倒産事件でなく、労働者の生活困窮型事件ではなおさらです。
結局は、原因債権別でなく、債務者の支払能力に帰するべきなのです。
家事事件関係の債務は、倒産してもいっぱいの粥でも分け合って食うべき理念ですから、当然ですが、別居して反目しているような場合には、家の外の債権者とどう違うのかと言うことです。
第5号で、「雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権」として労働関係債権も非免責となっています。
しかし、給与債権等が非免責になるばあいとは、大手や中小企業の従業員ではなく、個人的な事業主・・たとえば零細な親方一人と職人2〜3人の町工場などが、その主たる対象になっているのです。
5〜6人も従業員のいる事業体では、普通は会社組織にしているのですが、法人は破産したら消滅してしまう関係から、法人には免責と言う概念がそもそもないのです。
ですから、破産法の給与等非免責とは2〜3人の超零細事業の従業員を保護しようとする制度でしかありません。
倒産まで一緒に働いていた従業員が、倒産して、普通の労働者よりも悲惨な境遇になっている元の雇い主に対して、未払い給与等の支払いを求めて取り立てに行くのを許す必要が何故あるのか疑問です。
しかも、ここでも、不法行為の「悪意」同様に不明瞭な幅のひろい概念で、ことをややこしくしているのです。
これまで、給与等とあえて書いてきましたが、条文は給与に限らず、「雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権・・・」とあって、給与に限らず、雇用関係によって発生した債権全部が非免責ですから、親方にはひどく不利であいまいな条文です。
法人にも出来ない個人事業主は、いまどき本当の零細でしょうから、同じ倒産でも法人組織・・会社組織にしていれば給与未払いは問題にならないのに、あるいは従業員から借りたお金も問題にらないのに、個人事業であると言うだけで死ぬまでついてくるのです。
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