06/16/07

非免責債権3(破産法20)

現行法体系では、破産決定する裁判所ではなく別組織の裁判所が免責対象になるのか否かの認定するのですが、そもそも裁判と言うものは、裁判官の価値観を押し付けるものではなく、厳格な事実認定によるのである・・「悪意と故意とは厳格な基準で分かれていますよ・・」私のような「浅学者には分からないだけ」と言われればそれまでですし、体系的には整合していることになるのでしょう。
債権者が破産前に公正証書(執行許諾文言付)や判決などの債務名義を取得しているばあいには、裁判所のチェックなく、いきなり、給与差し押さえなどの執行を出来ますから、破産者の方で、請求異議の訴えを提起しない限り和解のチャンスがありません。
一義的に明白に非免責債権でなければ、請求異議の訴え提起も可能ですが、逆に外形上明白に非免責債権であれば、訴え提起自体が困難ですから、和解のチャンスもないでしょう。
その上、和解の勧告というのは相手が受諾する義務もないのですから、あくまで判決をくれと債権者に言われると、万事休すです。
現在私の受任事件では、内縁関係解消に伴う金銭解決に際して、「和解金」として支払う約束した和解条項に基づいて給与差し押さえしてきた事件に対し、請求異議を出した上で、その解釈をめぐって、これが慰謝料=悪意の不法行為=非免責債権か、それとも別の債権である「和解金」なのかを争っている事件があります。
当然債務者(男性)の方は、慰謝料ならば、認める余地がなかったが、「和解金」と言うことだったから、一定額まで支払う約束をしただけだと主張しています。
和解には、債権の性質には争いがなく、単に支払額の減額交渉による和解(1000万円の請求に対して、支払い能力がないから500万円に負けてくれと言う場合など)と債務の発生は絶対に認められないが、紛争解決のための和解金ならば払えると言う和解の2通りがあります。
「和解金として」と銘打った以上は、創設的効力があると解すべきだと言うのが、こちらの解釈ですが、これに加えて、仮に慰謝料債権の性質が残ったままだったとしても、これが、破産法の「悪意」によるものか否かについても、上記のように問題となります。
ちなみに、先行の内縁解消事件は、私の事務所で担当したものではなく、別の弁護士が以前担当した事件です。
破産手続きなどは誰でも出来ると思う方が多いかもしれませんが、このように破産の申立段階から、相談者には、将来の差し押さえの可能性を説明し、これを予測して行動していく必要があるのですから、総合的法的知識が必要なことがわかるでしょう。



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