06/15/07

破産法16(免責5)

話が大分それてしまいました。
平成19年12月28日・・・・1「破産法14(免責4)賭博罪1と功利主義哲学」から賭博の話に入ってしまいましたが、破産の話に戻ります。
そこまで書いたように、近代社会では、原因結果の分かる目的的行為・・これを合理的とも言いますが、こうした行為が正しくて、偶然に左右される生き方は邪道とされているのです。
こうした道徳律から見れば、債権者にとっては、その債務者がパチンコをしていたかどうかが分からないのに、貸付行為となんら因果関係のない債務者の日常のことがらによって、債権が免責されたり、されなかったりするのは不合理です。
債権者にとって免責になってしまうかどうかが、債権者の行為に関係のない、偶然に左右されるのでは、ギャンブルの一種になってしまいます。
偶然に左右される効果は、12/29/06「競馬法1(公営ギャンブル3と税収2)」以降紹介してきた、必要悪としての競馬その他の公認ギャンブルくらいにとどめるべきでしょう。
それに、ギャンブルしていた人の債務は、破産しても免責しないと言われても、債務者は支払不能なのですから、払いようがないし、払えない人に対する取立てを許すと社会が安定しないだけです。
折角就職して働いていても、給与差し押えを受けては、生活が出来ない人も出てきます。
例えば家族4人・・給与20数万円でカツカツの生活している場合、(こういう生活保護すれすれの破産者が多いのです)原因がパチンコだったからと言って、折角反省して真面目に働いている人の給与差し押さえが許されるとなると、再び生活破綻となります。
差し押さえは4分の1に限定されているからといっても、20数万円の収入の人の給与が4分の1もカットされたらやっていけません。
それでは、また借金地獄の繰り返しですから、結局は、夜逃げするしかない・・原因によっては免責しない現行法の精神は、夜逃げ奨励政策とでも言うべきでしょう。
債務発生原因が、賭博または競馬だからと言って免責されない仕組みですと、債権者の方も、実は困ってしまうことが多いのです。
普通の会社では、債務者が破産してしまい、請求しても払ってもらえそうもないならば、その債権は償却しておしまいにした方が、税務上その他何かと便利です。
債務者が巧妙に財産隠しをしているならば、その債務者と知恵比べをしてでも、回収すべきでしょうが、本当に支払い能力がないというならばの話です。
もしも債務者が免責不許可になると、債権者としては、請求・・取立てしなければ、債権回収担当者の怠慢になってしまうので、困ってしまうのです。
しかし、払えないことが破産決定で分かっているのですから、そういう人を相手に裁判してみても 
      「ないものは払えない」(昔は、ない袖は振れない」と言いました)
と言う次第で、合法的行動をしている会社では、却ってどうして良いかわかりません。



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