06/12/07

富くじ発売の罪(刑法91)

賭博罪と一緒になっている富くじの罪についても、ついでに書いておきましょう。

刑法
(富くじ発売等)
第187条 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

富くじ・・いまは、宝くじと言いますが、これも民間で発売すると有罪です。
江戸時代には、ある程度貨幣経済が発達したこともあって、富くじがはやりました。
これが特定のお寺でしか(本堂の改築資金のためなど名目があったからで、今の地方自治体が発行するのと少し似ています。)発行が認められなかったのですが、明治に刑法を定めるときに禁止を明らかにするために、この富くじ禁止の条文が賭博罪の仲間として設けられたのです。
確かに、富くじの構造は、賭博そのものとは違いますが、勤倹を旨とする稲作社会では、射幸心を煽りすぎる問題点は同じです。
そこで、同類ではあるが別の犯罪類型として考えたのでしょう。 
富くじと賭博との違いは、簡単に言うと主催者=胴元が一切損しない仕組みだと言うことでしょう。
その意味では、競輪、競馬とほとんど同じですが、競輪・競馬は、一応プレーする人がいますので、少し違います。
それに元はと言えば、地方競馬のコラムで書いたように、馬はどこの世界でも軍事や農耕用などで大切なものでしたから、その存続維持をはかると言う使命もありました。
富くじや宝くじの類になってくると、なにかの振興を図るという意義もなく、お金がほしいと言うむき出しの欲望が正面に来るだけです。
ところで、今では富くじとは言わず「宝くじ」と言いますが、何故、「富くじ」と言わなくなったのでしょうか?
巨万の「富」を蓄えたなどと言いますが、現在用語としては、なぜか「富」と言う訓読みが死語となってしまい、廃れてしまった影響でしょうか?
「豊富」「貧富の差」などの熟語ではあるのですが、富を訓読みで使うことが滅多になくなったのです。



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