06/10/07
賭博4(刑法87)財物性の有無1
漢字を読むだけで意味が分かると言う意味では、元の規定のほうが正しいのですが、どちらに違反しても違法性の意識に変わりがないのに裁判が難しくなるだけですので、賭博と合体してしまったのでしょう。
ただ、賭博だけでは、却って術語みたいで、その文字自体から直ちに意味が分かり難いのですが、今では、国民にはその方が日常語になっていて、逆に賭事と博戯の区別が分かる人のほうが少なくなっているのです。
JFEと言うと知らない人は、何のことか分かりませんが、知ってる人は川鉄と日本鋼管の合併会社としてそれだけで分かるのと同じです。
これが20年後になると、川鉄と言う言葉のほうが分からなくなるでしょう。
賭事博戯の合体の外に、いまでは、「偶然の輸えいに関し財物をもって」賭博したと言う修飾語も、不要として削除しています。
この修飾語・・財物性をなくした意味ですが、初めからこれがなければ、、本来賭事も博戯も、偶然の結果にかけるだけの話しですから、その結果「一緒に旅行に行くか行かないか」「結婚するかしないか」など財物移転以外の約束でも有罪になるはずです。
刑法の旧条文の由来からすれば、従来存在した財物移転の限定をはずす行為は、今後無限定になったと解釈するのが普通です。
しかし、今回の完全口語体書き換え作業は、刑法の内容を変えないで口語化すると言う約束で、これといった改正議論もなく国語的に行われただけである以上は、旧規定のとおりの解釈になるべきでしょう。
口語体に変えるだけだと言う触れ込みでしたので、われわれ専門家も安心して「そうか!」と、あまり気にしないで見過ごしていたのですが、こうしてみると意外に形式上も大きな変更をしているものです。
(もしも財物性がなくても有罪と解釈できるようになったとすれば、国民を欺いて立法したことになります。)
ともあれ、私の歴史的解釈によれば、現行刑法の条文にかかわらず、今でも、財物移転行為の約束がなければ、犯罪にならないことになります。
「その結果によっては結婚する」と言う場合のように、財産移転行為以外の約束では犯罪にならず、財物移転行為に限定することになるので無罪です。
「司法試験に合格したら結婚する」とか、若手研究者によっては、「博士論文がとおったら結婚する」と言う約束がありえますが、博士論文がとおるかどうかは、博戯・・・偶然性にかかっていると言ったら、まじめな研究者者に叱られそうですが、・・似ていることは、この後に書くとおりです。
こんな約束が、みんな偶然性にかかっているから、「司法試験に合格・・・選挙に当選したので結婚します」と発表した途端に、
「賭博だから逮捕する」
と言われたら、みんな仰天するでしょう。
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