06/30/06
共謀罪新設と共謀共同正犯論の違い1( 刑法47)
刑法の共犯認定のためには、意思の連絡によって、共同意思主体が形成されると言う考え方ですから、争いのある刑事裁判では、共謀の認定が厳格にされる運用です。
ついでに共謀共同正犯論と言うのは、実行行為に参加しない共犯者にも教唆犯としてではなく、共同正犯の責任を問うために考え出された理論です。
私たちの学生のころには、近代個人主義思想から言って無理な理論として少数説とされていましたが、判例の採用するところとして実務界では、定着して現在に至っています。
その代わり、裁判実務では、共謀行為自体を実行行為の認定同様に厳格化してきたのです。
勉強から遠ざかっていますので、今の学説の動向を良く知りませんが・・・多分長いものに巻かれろ式で共謀共同正犯を認める学説が主流になっているのではないでしょうか?
ここ数年問題になっている共謀罪の法案は、この共謀共同正犯論の延長と、連座制の思想の延長上に生まれてきたものではないでしょうか?
いわゆる共謀罪の法案の骨子が分らないままでは、何のための議論か見えてきませんから、この際、法案の骨子を紹介しておきましょう。
以下はWikipediaからのコピーです。共謀罪(きょうぼうざい)
何らかの犯罪の共謀それ自体を構成要件(ある行為を犯罪と評価するための条件)とする犯罪の総称。アメリカ法のコンスピラシー(Conspiracy)がその例である。
日本の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(通称:組織犯罪処罰法)6条の2が規定する組織的な犯罪の共謀罪の略称。
これを新設する法案は、一度2005年8月の衆議院解散により廃案となったが、同年の特別国会に再提出され、審議入りしている(経緯の詳細は#審議の経過を参照)。
これまで説明したように、連座制は共謀を要件とせずに、一定の組織関係だけが基本ですが、共謀罪では、共謀の認定をするのだから連座責任とはその点で違うことになるのでしょう。
その代わり今回の法案は、上記1のとおり共謀しただけで、実行行為・・すなわち窃盗や強盗などの犯行がなくとも処罰できると言う点で、公職選挙法や、高校野球の連座制とはまるで違います。
連座制やこれまでの共犯では、一定の実行行為(例えば殺人とか窃盗など)が実施されることが必須要件でした。
これから、そうした実際の犯行の必要性を無くすと言うのです。
これが、無茶な法案と言われている所以です。
(今回の法案では、「共謀しただけで犯罪成立」ですから、共謀自体が犯罪行為になるので、犯罪行為がないのに処罰されると言う表現は正確では有りませんが、比ゆ的な言い方です。)
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