06/29/06

連座責任5と共謀罪1

この連座制の思想を基礎に、その適用を刑事責任にまで広げようとするのが、ここ数年来政府提案にかかる共謀罪の新設ではないでしょうか?
この法案の基本思想は、一定の組織関係と共謀したと言う意思行為だけを要件にするものです。
連座制は組織関係(親戚など)と犯罪の実行があったことが要件でしたが、共謀罪は組織と意思に重きを置いて、犯罪が実際に行われたかどうかを問わない思想です。
思想そのものを処罰するのではなく、意思が外部に現れた実行行為で評価するのが、近代法の原理ですが、今度は行動を待たずに処罰すると言うのです。
江戸時代までの連座制の再現以上に、前近代的どころか人権侵害も甚だしいことになるのではないでしょうか?
     「今度泥棒に行こうか?」
と相談をもちかけられて、その場では同意したけれども気が変わって行かなかった場合・・その場では反対しにくかったから生返事しておいた場合など、いろいろあるのですが、こう言う相談をした結果、誰も実行しなかったとしても、相談したものみんな処罰されてしまうと言う訳です。
(ただし、分かり易く書きましたが、現在のところ重要犯罪に限るようですから、窃盗くらいでは処罰されないでしょうが恐喝、強盗でも、同じことです)
共謀罪の新設については、後の共犯の説明で、詳しく紹介しましょう。
ところで、江戸時代までの連座責任(縁座)と言うイメージでは、非合理な制度のように思う方が多いでしょう。
しかし、謀反などは一族で根回ししなければ出来ないものですから、個々の証明不要で、兎も角連座して責任を取って貰うと言う仕組みになったものでしょう。
もしも、この連座規定がなければ、謀反の謀議に参加したかどうかの白状を求めねばなりませんから、たいへんでした。
商法・・現行会社法の規定のように、異議をとどめたことを証明できれば逆に無罪にするほうが合理的だったのです。、
11/06/04「盟神探湯(くがたち)から、自白へ、自白から客観証拠へ」のコラムで、江戸時代の裁判で紹介しましたが、そのころは自白がなければ処罰できなかったのです。
却って自白を求めて拷問など悲惨なことになってしまう危険があったので、一族の中の役割に応じて連座責任を問う規定は、合理的でした。
刑事手続き的に合理的なだけでなく、みんなに迷惑がかかるからということで、秩序違反行為を思いとどまらせる心理効果をも狙ったものでもあったでしょう。



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