06/26/06

連帯債務者1(民法161)

前回末尾に紹介した民法の条文で分かるように、連帯債務の場合には、債権者は、連帯債務者の一人に対し、全額を請求できるのです。
自分は連帯債務者と言っても、一銭も使っていないなどの事情は、内部関係で処理されるだけで、対外的・・すなわち債権者には、通用しない仕組みです。
この事情を債権者が知っていても法的には、斟酌できませんので、債権者の善意悪意を問いません。
内閣の連帯責任も、対外的には、同じような意味でしょう。
但し、民事では、連帯債務者になったときの経緯・・・事情如何が、実質的には関係しますので、裁判になっても、和解交渉ではかなり斟酌される事があります。
法的レベルと実質レベルがありますので、日本の法的世界はややこしいのですが、この点の使い分けが必要ですから、そうした事情も出来るだけ詳しく弁護士に話しておいたほうがよいでしょう。
律令法体系を導入しても、すぐにお蔵入りになって、わが国固有の法体系で、幕末までの約1000年もやって来たことを、01/10/06「律令制の崩壊2(桓武天皇時代)」その他、あちこちで紹介してきました。
明治以降の西洋法継受の過程でも、似たようなことが起きているのです。
要するに西洋法のまま適用すると、酷な結果になることが多いので、和解の活用で何とかやりくりして来たのが我が国の司法界です。
実際、我々弁護士が担当する事件の9割方を和解で解決しているのは、形式的適用では無理の多い事件が多すぎるからです。
連帯債務関係の条文を、次回にまとめて、紹介しておきましょう。
この規定が次に紹介する連帯保証債務でも準用されるなど基本的な条文になりますので、重要な規定です。
432条の説明は、上記のとおりですが、その他の条文も条文自体をきっちり読んでいただければ、連帯債務と言うものが、どう言うものかを概ね理解できると思います。
これらの規定を通じていえることは、債権者にとってすごく便利・・有利な仕組みになっていることです。
大勢の債務者の一人にだけ請求しておけば全員に対して時効中断できるなどがそれです。
これに対し、連帯債務者にも有利な規定があります。
437条の一部免除の効力ですが、この規定のお蔭で、弁護士になりたてのころに、有名弁護士相手の訴訟で完勝したことがあります。
ある会社の実質保証人的立場の連帯債務者に対する訴訟で、(私は、その債務者側の弁護士でした。)実質主債務者である社長に対しては示談が成立していて、一部支払いで、残金免除になっていたのです。
私の方はこれを主張して、内部の負担関係ゼロであるから、債務が全部消滅していると言う主張がとおった事件でした。
このときの債務者本人は、法律の面白さに目覚めて、その事件継続中に勉強してあっさり司法書士の資格をとり(士官学校出のエリートで、頭の良い人でした。)事務所を開きました。
もう少し、若ければ司法試験も難なく挑戦できた優秀な才能でしたが、本人はそのころ既に50台でしたので、(今は80台ですが、今でも元気です)司法書士になったのです。
以来、約30年来の付き合いが続いています。



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