06/25/06
戦後の内閣制度7(憲法162)天皇主権と国民主権1
06/15/06「戦後の内閣制度2(憲法146)」のコラムで、紹介した「国務大臣は文民でなければならない」ことの説明から、防衛庁の組織がどうあるべきかに、話題が逸れてしまいました。
現憲法の内閣関係の条文の続きです。
憲法
第66条
内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
1〜2項については、これまで説明してきましたので、今回は、3項からの解説です。
第3項の規定は、今でこそ常識ですが、敗戦当時の意識では、天皇に対して責任を負うのではなく、「国会に対して負う」と決めたことに重要な意味があったのです。
戦前は、官吏は天皇のために忠勤に励むものであって、失政があっても雇い主?である天皇に対して、申し訳ないことをしたと言うスタンスでした。
敗戦時に多くの重心が自決しましたが、彼等は、多くの国民に迷惑をかけたと言うことで腹を切ったのではなく、天皇の大御心に副えなかったと言う責任感で腹を切ったのです。
これが今度は、国会に対して責任を負うことになったのです。
これからは、国会に対する責任感で腹を切る人は出ないでしょう。
次に紹介する憲法67条では、国会で総理大臣が選任される以上は、選任権者たる国会に対し責任を負うのは、当然と言えば理の当然でしょう。
国会とは何かといえば、国民の代表者で構成される機関であり、結局は国民に対して責任を負うと言うことになったのです。
新憲法では、内閣の存立を決めるのは、国会のみであって、戦前のように国民から選任されない貴族院も枢密院も、勿論国会と関係のない軍部もなくなりました。
憲法を見ましょう。
憲法
第4章 国 会
第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
第42条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第43条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する
このように、国民の代表者である国会に責任を負うとは、結局は国民に対し責任を負うことになったのです。
公務員は、国民のために(忠義ではなく)誠実に働くべきものであり、何かあると「国民に申し開きが出来ない」と言う視点に変わったのです。
国民のための行政府・・すなわち公僕になったと言うことの実質が、ここ66条3項で確認されているのです。
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