06/22/06
防衛庁の省昇格の是非5(軍事予算増加の危険性1)
以上書いて来たように、何のために防衛庁が昇格・・・発言力の強化を求めているのかと言うところですが、さしあたり、防衛庁・・軍部の発言力増大で想定される弊害は、軍事費削減に対する抵抗力の増大でしょうか?
どこの国でも軍事費の削減は、軍の不満を買うので難しいのですが、地球温暖化対策同様に、世界中で推進すべき最重要課題です。
平和国家を標榜する我が国が、自衛隊発足後膨張に膨張を重ねて来たので、流石に何らかの歯止めが必要と言う世論が盛り上がってきました。
昭和51年11月の閣議決定で、国民総所得の1%以内という枠組みを設けましたが、経済大国として成長中のわが国では、国民総生産の膨張にあわせて、目いっぱいの膨張を続けていたのです。
これでも、更なる膨張要求に応じられなくなって、昭和62年にはこの1%枠さえ超えてしまったのです。
バブル崩壊後も防衛予算だけは膨張していたのですが、さすがに維持出来なくなってきて、平成10年から0、何%程度づつ削減されたり増加したりの繰り返しをしていましたが、削減率は雀の涙程で、今年あたりからまた増勢に転じています。
これまでの経過では、おおむね増加の一途を辿っていると評価される日本の軍事予算の推移を、どう見るべきでしょうか?
この後に書きますが、軍の問題点は平和主義かどうかと言う観念的理念の有無ではなく、ときの内閣が必要に応じて、ダイナミックに予算削減を出来る仕組み(実際上です)か、どうかにかかっているのです。
公害や、2酸化炭素の増加問題は,民生の向上と産業の発達によって、さしあたり必然的に増加している面を否定できませんが、(一種の必要悪でした)これらとても産業界の努力で、先進国では何とか抑制に成功しつつあるともいえるでしょう。
これに対し、戦後一貫して、軍事費を増加し続けなければならないような、プラス要素・・必然性がどこにあったのでしょうか?
我が国では防衛予算が数%増えても減ってもニュースにもなりませんが、このコラムを書くために防衛予算の検索をしてみたら、台湾月報で「日本が来年度予算案で軍事予算1,2%増額した」と言うニュースが大きく出ていました。
日本と親密な台湾でさえ、日本の軍事予算はナーバスな問題なのです。
軍国主義の始まりとなった戦前の統帥権干犯問題も、既に紹介したように、軍縮条約・・・軍事費削減に反対する軍部の不満から始まったものでした。
06/09/06「明治憲法10(閣内不一致と統帥権1)天皇の軍隊1」以下で書いてきましたが、山縣が統帥権の独立を目指したのは、軍事費削減要求に対処するという目的から始ったことも書きました。
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