06/21/06
戦後の内閣制度4(憲法158)防衛庁の省昇格の是非1
話が戦力の定義と裁判所のあり方から、核兵器の有用性にまで話しがずれましたが、06/15/06
「戦後の内閣制度3(憲法147)戦力とは?1」の続きに戻ります。
戦前陸海軍大臣が、総理の指導に従わない・・従わなくても良いことが、軍部独走の原因になったのですが、そもそも陸海軍が内閣から独立していると言うならば、陸海軍大臣が内閣を構成していなければ良かったのです。
それなのに、軍の代表が参加していたのは、6月13日・・・3に書いたように陸海軍から、内閣に対する監視要員として大臣が送りこまれていたのだといえるでしょう。
06/12/06「ポピュリズムと公の精神(木越中将)」で紹介した木越中将の左遷の例でも分かるように、大臣は軍のトップではなく、軍内では地位が低かったのです。
内閣が軍部支配になった時点で考えれば、参謀本部が内閣の上位に位置していたような図式です。
ところで、現在防衛庁を省に昇格するかどうかが、問題になっていますので、(この6月9日ころに閣議決定し、すでに、この法案を国会に提出したそうです。)憲法の文民規定と関連して、この際論じておきましょう。
諸外国でも、陸海軍ないし国防大臣が閣僚になっているのが普通ですが、これは歴史上の経過に由来するだけであって、現在社会では無用のものではないでしょうか。
と言うのは、近代国家までは、国内統治に軍事力の裏づけが不可欠でしたから、軍を代表するものが、重要事項の会議に列席し、主導権を握る必要があったのです。
織田から豊臣、徳川、あるいは幕末の薩長など見れば、軍事力こそが、発言力の源泉であった時代であることがわかるでしょう。
しかし、民族国家成立後は、軍は対外的に戦うためにあるに過ぎず、国内政治・・反乱軍の鎮圧の仕事がなくなったのです。
我が国でも、西南の役以降、軍の存在意義・目的が変わってしまったことを 、6月9日・・・・・2 「明治憲法11(軍人勅諭1と統帥権2)」のコラムで紹介しました。
現在社会・・少なくとも先進国では、国内のさまざまな政治問題・・・公団民営化・郵政民営化、年金・消費税率問題、建築基準法違反事例・証券取引法・子育て支援・保育園をどの程度作るか等々・・に閣僚として、軍を代表して意見を言うチャンスを与える意味があるでしょうか?
上記のように歴史上は軍事力の背景がなければ発言力がなかったのですが、上記の現実的諸施策の決定、実行には、軍事力の裏づけを必要としないのです。
専門職能集団としては、今の時代軍以外にもいろいろありますが、その中でも軍は専門外の事柄に最も政治的能力・・発言に適しない集団ではないでしょうか?
諸外国で軍部から大臣を内閣に出しているのは、過去の経過を引きずっているに過ぎず、まねしなければならないものでは有りません。
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