06/16/06
憲法148(戦力とは?2)統治行為理論1
自衛隊は、憲法9条記載の戦力でもなければ、陸海空軍でもないと言うのが、政府の説明です。
この説明によれば、戦前の職業軍人は国務大臣にはなれないが、自衛隊の幹部は国務大臣になれることになります。
憲法の文民規定は、戦前の職業軍人が生きている間だけ、有効な規定なのでしょうか?
これでは、政府が、軍人の定義さえ変えれば、憲法などどうにでもなることになります。
自衛隊は、憲法で禁ずる戦力・・軍隊でしょうか?
そもそもこの定義を誰が決めるのでしょうか?
憲法の解釈をするオーソリテイ−(公権的解釈)は、政府にあるのではなく、政府が法や憲法に違反しているかどうかを、チェックするべき裁判所にあるのです。
これが、3権分立の意義でしょう。
憲法
第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
この条文が、違憲立法審査権といわれる裁判所の権能を明記したもので、3権分立の象徴的な条文です。
この条文では、最高裁判所だけが書かれていますが、勿論、その前提として下級審でも憲法違反かどうかを審理できます。
たとえば、恵庭事件、砂川事件その他の法令違反として、刑事裁判があると、その法令適用の前提として、日米安保条約や自衛隊法が、憲法に反するかどうかが、先ず問題になったのです。
この下級審の判断の最終判断が、最高裁判所で行われると言う意味で、「終審の裁判所」と書かれている意味です。
元々、この条文がなくとも、裁判は、法律に従って判断する訳ですし、憲法が制定されている以上は、その法律が憲法に違反していたらその法律を適用できない訳です。
しかし、理屈だけでなく、このような憲法上の明文がないと、裁判所が、ときの権力に迎合・または遠慮して、憲法違反の点に触れないで、裁こうとする傾向があるから、明記されたともいえるでしょう。
この意味では、3権分立は政治・・革命によって誕生した概念ではなく、法律制度上の当然の帰結だったともいえるのです。
そこで、戦力の問題ですが、ところで、平成18年6月13日の日経朝刊の記事によると、現在の自衛隊の年間予算は、2005年の世界軍事費ランキングでは、米英仏に次いで全世界第4位となっています。
軍事大国のようにマスコミで宣伝されて、怖い国だと思わされているロシアは、ずっと少なくて中国、ドイツ、イタリアよりも低い第8位になっています。
軍事力の強弱は、短期的には人材や戦略能力が関係しますが、長期的底力としては、投下しているお金の額に比例するのが、世界の常識でしょう。
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