06/07/05

大統領制と議院内閣制4(違憲立法審査権2)憲法113 

ところで、どのようなマイナーなものでも、・・・例えば、06/11/03「公共の福祉と法律の範囲内の違い(憲法10)」のコラムで、薬局の距離制限が憲法違反であるという判例を紹介しましたが、これだって関係者にとっては立派な政治問題ですが、ま、そこは目くじら立てないでやって行こうという理論です。
法の適用の境界場面では、何ごとも線引きが難しいものですが、判例の積み重ねで結果的に分っていくしかないのでしょう。
現在までの最高裁判所が認めた、あるいは認めなかった憲法判例を見れば、その境界が大方分ります。
私が思うには、例えば日米安保条約が憲法違反かどうかというような、国論を2分して国民が十分議論し尽くしたような問題については、国民から民主的な選任を経ていない裁判所がその最終決定を下すのには、向かないでしょう。
本来のどぎつい効果のある違憲立法審査権は、独裁権能のある大統領制度や「一旦選任したら、議員が何をしても勝手」と言う選良・エリート社会にこそ、なじむのであって、根回し社会では「木に竹を継いだ」ような感じになるのです。
わが国のように政権の独走が許されない社会では、立法の怠慢で、廃止されずに眠っていた法律がいきなり200年ぶりに適用されたような場合、特定権益層の圧力で存続しているが、国民全体の福利に反することが許容できないほどになった(薬局の距離制限や酒類販売の規制など)場合、刑事手続きの細かい証拠法則が憲法に反するなどの技術的、専門的場合(こういう改正は、利害団体がないので議員の関心が低いので改正され難いのです。)だけしか発動出来ません。
私の考えでは何のために違憲立法審査権があるのか?または憲法は破ってもいいのかということになりますが、そもそも議院内閣制、下からの根回し社会には木に竹を継いだ無理な制度ではないかという気がするのです。
それに、違憲立法審査権の母国アメリカ合衆国でも、憲法判例は刑事手続き関係が多いものです。
どちらかと言えば、せいぜいイギリスの衡平法裁判所(エクイテイ)の如く、君主の恩恵で(直訴)として、特別な赦免や大赦などに類する機能といえるでしょう。
この点、国民は選任にだけ関与すれば良いのであって、その後の行政はお任せと言う社会・・・・・・独裁を前提とした社会では、いつも決定は上から来るものですから、前もって決めておいた決定覆滅権者である裁判所が、行政府の決定を「天の声」の如く覆しても違和感がないのかも知れません。
ドイツの憲法裁判所という制度も、同じ思想の上に成り立つのです。
フランス的社会では、行政府だけでなく法の制定も一旦選良・・議員を選んだら、あとはお任せ社会です。(実際はそんな社会はないでしょうが、建前の違いを言っているのです。)
言うまでもなく、「エリート」選良という単語は、フランス語発で世界に広まったものです。



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