06/06/05
議院内閣制3と違憲立法審査権1(憲法112)
アメリカは日本の議院内閣制の存続を認めながら、自慢の違憲立法審査権を憲法に持ち込んだのですが、何となく落ち着きが悪く、そのために、裁判所はひどく自己抑制的です。
イギリス同様に、下からの根回し社会で決まったことを、なんら根回しに関与しない裁判所がいきなり、天の声の如く覆すのは何となく落ち着きが悪いのです。
憲法
第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
法文の技術的解釈で決着がつく場合その他大政治問題でないときは別として、高度な政治的課題については、国民の代表でない裁判所がその結果を左右できるのは行きすぎという心配が有るからです。
こうして、日本の最高最判例では「統治行為論」という理論の下で、高度な政治課題については裁判所は判断を回避することになっています。
例えば、郵政民営化やその他の国論が大きく分かれる問題で、裁判所が一方に肩入れして、憲法違反だとして、政治に介入するのはおかしなものです。
この代表例は、憲法第9条に絡んで自衛隊は違憲か否かという問題でしょう。
或いは日米安保条約の違憲性の問題です。
安保条約は憲法に反するか否かというのは、高度な政治問題であって法文の技術的解釈を超えているというのが統治行為理論なのです。
しかし、それならば、何のために憲法は有るのかという議論にもなってきます。
その時々の政治的都合(時の多数が支持しても)でも乗り越えられない限度を定めたのが、憲法であるとすれば、裁判所は政治的都合を無視してでも憲法違反か否かを判断すべきでしょう。
違憲立法審査権というのは、言葉の意味から言えば、時の法律・・すなわち国会の多数意見によって成立したものに決まっています。・・・であっても覆せるという意味です。
統治行為理論は、与野党の大きな政治対立までは行かないが、ある法律が時代の進展によって徐々に変化した憲法観にあわなくなって来たような場合や、法案作成の技術的ミスの場合だけにだけ、効果を発揮出来る考え方でしょう。
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