06/04/05
妖精や妖怪のいる社会とイギリス国教会の独立(イギリスと日本)
このように一神教社会と多神教社会は、基本的な性格が違いますが、それでは、キリスト教国であるイギリスは、何故、日本同様の議院内閣制であって、独裁的な大統領制を採用しないのかと思われる方が多いでしょう。
一つには王制があって、大統領制と両立できないことですが、それにはそれだけの理由があるのです。
イングランド・アイルランドは、元々キリスト世界では辺境に位置することと、島国であって、大陸的厳しさに欠けていたこともあるでしょう。
それに加えてノルマンに征服された重層的社会で、被支配者であるケルト的なもの・・妖精の存在が認められるなど、多神教的精神が残存・・濃厚な点も影響しているものとおもわれます。
わが国では大和朝廷に滅ぼされた各地の豪族が、やおよろずの神々になっているのと似ています。
こうした特徴から、キリスト教社会でありながら、早くからローマ教会から独立して、イギリス国教会になっていることを想起しても良いでしょう。
国教会独立の原因について、ヘンリイ8世の無茶苦茶な事跡として描く話が多いのですが、そんな無茶だけでは、これまで500年程の長きにわたって定着するわけがないのです。
根は、もっと民族構成、多神教的精神風土と関係があって、その部分からの支持が根強いからではないでしょうか?
また、マグナカルタに民衆の力が象徴されていますが、これを単に民主主義の発展・暴君の存在として捉えるのではなく、日本同様に上からの命令だけでは動かない社会であったと捉え直せば、もっと違った状況が見えてくるのではないでしょうか?
日本では為政者自身が、昔からこの点(押し付けはいけないこと)をよく知っていますから、マグナカルタのようなものを民衆から強制されるまでもなく、民衆に上から押し付けたりは絶対にしません。
もしかしたら、帰化系と言われる(正確には不明ですが・・・)の蘇我氏が滅びたのは、日本人の機微がわからずに、押し付けがきつすぎたからではないでしょうか?
滅亡の仕方も、信長や井伊大老と同様の暗殺・テロです。
その点在来貴族出身である中臣・藤原氏はしたたかで、根回しに徹してしこしこと勢力を扶植していったのです。
誰かに恨まれて、いきなり「暗殺されて失脚」などと言うリスクは負いません。
私の関与している範囲で、わが国の行政実務を紹介しますと、ここ10〜5年前後司法修習生の増員の連続で、各地に実習受け入れのための押し付けが日常化しています。
既に中央の政治決着で、毎年3000人まで増加が決まっているのですが、それでも上(中央)からヤミクモに押し付けたりはしないのです。
実務上は各地弁護士会に、どれだけまで実習生を受け入れられるかの意向を照会をしながら、徐々に増加していくやり方です。
「時節が時節だから協力してくれ」と言う言い方で、各地も実際は受け入れざるを得ないのが事実ですが、それでもこうした根気のいる根回しで進んでいくのがわが国です。
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