06/23/04

沽券の余談、(売買証文)(英米法の場合)

我が国では、明治29年4月27日公布・法律第89号明治31年7月16日施行の民法導入によって、地券制度が廃止され、意思主義といわれる制度になりました。 (現行民法です)
そして、取引日現在の所有者その他の権利関係は、登記によって公証されることになったのです。
このことは、平成16年3月30日のコラムで書きました。
意思主義と言うのは、「一定の形式を踏まずに意思表示の合致だけで契約が成立する」という法律の原則を表す法律用語です。
ちなみに、現在でも英米法体系の国では我が国の沽券制度に似たやり方だと、学生時代に習いましたが、今はどうか分りませんが、多分こう言うことは簡単に変更がないはずです。
西洋では、貴族でも文字を読めないのがいたくらいですから、不動産取引にあたって「何十枚と言う証文のつづりを確認するのが弁護士の仕事である」と聞いたことが有りますが、本当かどうかはこれも知りません。
こう言うことから、取引には常に弁護士の立会いが必要になったのでしょう。
「何が幸いするか分らない」と言うところですが、文字をまともに読めない社会が弁護士の需要を招いたのです。
ちなみに、日本では自分の農地をもっているくらいの農民は、大方漢字や証文は読めましたので、こう言う証書や借用証文が発達したのですが、これを読む為の弁護士みたいな職業は発達しませんでした。
西洋では、弁護士の発達がかえって、刑事弁護制度の発達や、デユウプロセスの発達を招いたのですから、社会の発達の原因と言うのは面白いものです。
日本とちがって西洋の君主は乱暴でしたから、君権を制限する為の人権規定が発達しました。
西洋が進んでいたからでなく、無茶苦茶すぎたので革命が起きたのです。
現在社会においても、各種取引でなまじ自分で字を読める人が中途半端な知識でよたよた交渉しているよりも、弁護士に頼んだ字の読めない相手方のほうが有利になります。
こうして今では、なんでも弁護士に頼む習性のある英米系の商人のほうが、交渉上有利に働きがちです。
3月25日の「平和憲法と国の安全 6・・憲法53(パックス アメリカーナ時代の戦力とは?1)」のコラムでも書きましたが、ルールはあちらさんが作るのですから、現在はアングロサクソンのやり方でケンカしないと勝てません。
そこで、日本流に交渉の達者な人でも、弁護士資格がないと相手にされないのが、今の国際交渉です。
日本では、借地借家法も、道路交通法も皆自分で読めるから弁護士はいらないと言っていては、外国では相手にされません。
英米・アングロサクソンのルールでは、弁護士であって初めて交渉資格(テーブルにつける)がある、それ以外は日本で言えば、侍ではなく足軽扱いになって対等に扱ってくれないのです。
これでは如何に「寝技が得意だ」といっても、或いは「日本では官僚の方が偉いのだ」といって東大法学部を出たと経歴を言ってみても、「なあーんだ弁護士資格もないのか?」相手にされませんので、日本の官僚は通商交渉などで随分口惜しい思いをしているようです。
それで、今回の司法改革では司法試験に合格していて、一定の職務に一定期間以上従事していれば、司法研修所で修習を受けなくとも弁護士資格を付与するという改正(改悪?)が出来たらしいのです。




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