06/12/04

畑作牧畜文明 (粗放農業)の日曜休日と稲作文明の休日3
川勝教授の主張されるように、海洋の圧力に対し、我国では狭い一定の面積で海外植民地を広げないまま生産性を上げるとなれば、勢い、手間ヒマかけるよりほかなくなります。
現在でも対処方法は同じで、際限なく開拓する土地があったり、低賃金の労働者が、ボートピープルや、不法入国で入ってくるアメリカでは、単位あたり収量・品質と言う観点が乏しくなります。
アメリカに限らず西洋では、外国人労働力を安易に導入するのは、もともと他人任せの歴史があるからですし、日本では、人間に関しても国内自給しないと気がすまないのは、そうしたお互いの歴史があるからです。
中国でも沿海部が近代化しても、幾らでも奥地から労働者が入ってくるので、簡単には賃金が上昇しません。
アメリカと中国は、そうした面でも似たもの同士という対抗関係にあるのです。
現在、中国などの無限大に人口を抱える低賃金国に対抗するには、際限のない機械化・合理化の進行=手抜き=超未熟練者の勧めよりは、超熟練者によるセル生産の有効性が唱えられているのは、こうした私の文化論と根が同じではないでしょうか。
04/09/04「地租改正と農地売買の自由化3(大地主の誕生と小作農の出現=窮乏化)」前後のコラムで、小作農の出現を書きましたが、我国では、地租改正まで自作農中心だった原因がそこにあるのです。
粗放農業では人任せ、農奴経営が可能ですが、集約農業の場合、他人任せでは、うまく行きません。
明治以降、自作農が没落して地主に名義が変わっても、もとの持ち主は、もとの自分の農地を小作人としてそのまま耕していたのです。
小作人と言うのは、一種の請負形式になっただけで農奴や労働者とは全く違うのです。
地主の固有の農地を耕す人は、別に作男といわれる種類の人でした。
中小企業が資本参加してもらって、自分が営業所長になることがありますが、その営業所は、元の自宅のままという場合、形式上は会社からの借り物ですが、当事者の気持ちは、自分のものという意識であるのと同じです。
こうして農地の権利関係を見て行きますと、古代の荘園領主と農民の関係にも行き着きます。
古来、農民はその土地にしがみついていて、その時代時代の権力者・時代思想に合わせて、寄進したりいろいろな形態をとりますが、あくまで自分の土地は、自分で耕していたことは変わりなかったようです。
その保護者が・有力貴族や、武士、寺社から、明治では地主などに変わって行っただけなのです。
こうして自作農創設特別措置法で、ただ同然で売り払いを受けたのですから徳政令で借金を棒引きにしてもらったのと同じです。
このことは、04/14/04「戦後の農業政策1(自作農創設特別措置法と土地改良法1」のコラムで少し書きました。
集約農業では自主的労働中心ですから、やりかけたら寝食を忘れるほど熱中し、仕事が一段落したら打ち上げと言うパターンのお祭り文化が発達します。
ヨーロッパの単純な小麦栽培(冬の雨に併せて冬小麦の種まきをしさえすれば基本的には終わりです。)とちがって、雨風、僅かな季節の移ろいに合わせて、自主的に休んだり仕事に取りかかったり、自分で考えて行動する点は、現在の個人事業主(若い人なら、受験勉強)と同じですB
こう言う世界では、機械的に一定時間働いたら疲れていようがいまいが、或いは仕事の進み具合に関わらず、休み時間が決まっているなどの観念は発達しません。
職人世界のお茶の時間にしても、機械的に決まっているのではなく、「区切りがついたら(1段落したら)お茶にしましょう」という会話が普通です。
我国では、こう言う労働観・そもそも労働=搾取ではなく、自分のための勤労精神の社会(今でも働くには好きな社会です)でしたから、一定時間での休憩・休みの観念が発達しなかった次第ですが、機械利用の労働形態が普及するに連れて、機械的な休みが必要になってきたことが、週休制度の普及につながったのだと思います。
これまで週休制度が、大企業から先ず普及し、零細、ないし家事労働に普及が遅かったのは、意識が遅れていたというよりも、なお、人間的な自主性の尊重される仕事形態であったからともいえます。
これが次第にドライな関係になっていくと、(独立可能性がなくなり、仕事を覚える楽しみがなくなるということです。)零細企業従業員でも、「きちんと休みが欲しいよ」と言うことになってきます。
社会が進歩したからではなく、夢がなくなり、他方で仕事に対する自主性がなくなったに過ぎないのです。
今でも研究職など主体的な仕事についている人は、(勿論小泉総理もそうですが・・・)勤務時間にこだわりません。




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