06/23/03

司法修習生の給費制 5(出身階層1)

裁判所は、それほどしっかりしていないことがお分かり戴けたと思いますが、給費制廃止になると、大学院を出なければならないことと相俟って、かなりの高所得階層の子弟でなければ、法律家になれなくなるのではないかと言う問題があります。
法科大学院に2年間通学するためには、生活費を含めてかなりのまとまったお金が必要です。それでも合格さえすれば、後の修習期間中は給与をもらえるので一息つきますが、この間無給となりますと、この期間中も親が生活費の面倒をみなければなりません。
法科大学院の学費100万円でも、受験志望者の多くが進学を断念する調査結果が出ているのですから、合格後さらに親から食べさせてもらうのでは、もっとお金の面で諦める人が多く出そうです。
戦後の、公害その他弱者救済に向けた各種各様の人権救済裁判が、世の中をリード出来たのは、弁護士や裁判官の出身階層も大きな影響があったことは否定出来ません。
何と言っても、合格さえすれば食べていけると言うのは、貧しい学生にとっては物凄い魅力でした。
サラ金事件を振り返ってみると、、マスコミは最初の内は、借金する方が悪いと言う意見ばかりでした。
サラ金に限らず、現実に社会の低辺層の苦しみを肌で知っているのと、豊な家庭に育った学生が、本で読んで、「社会正義の為に自分は頑張るぞ」と言うのとでは、事件発生当初の受け止め方が違って来るのです。
水俣病であれ、ハンセン病者の隔離であれ、最初は皆で村八分的に加害者側に回っていたのです。
これが人権問題だと着眼するには、よって立つ出身基盤が重要なのです。
皆が言い出してから、尻馬にのる人ばかりでは、基本的人権は守れません。
弁護士と言うのは、本に書いてあるから、(すなわち世論の大勢が決まってから)やるというのでは遅いのです。




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