06/18/03

司法修習制度と期間短縮 3(法科大学院の可能性1)

前回のコラムで紹介した、日本での若者の現状ないし将来の傾向を前提に考えてみると、
司法研修所の修習期間の短期化はおかしくないでしょうか?
特に高学歴層は、大卒だけでは足りず、働きながらでも大学院に行かねば、社会の進展についていけないと言われる時代です。
法科大学院ができるから、そこで充分なトレーニングを積んで来るはずだと言いますが、
一般に司法試験の受験期間がどのくらい必要かを考えてみると分かりますが、座学(法廷見学や、法律相談に同席するなどの、実習的行動しないで机に向かって学ぶ方法を言います)だけに集中して、専門の予備校に通っても、2年で合格ラインに達する人は極めて少数でしょう。
1200名にも合格枠を拡大している現在でも、合格者の平均年齢は26歳前後に張り付いているのです。
まして、法科大学院では、従来の法学部における座学中心から、実務教育を主体にしたいと言うのですから、僅か2年で企業の求める渉外法務から知的財産権まで、それも実習を組み込んでやることになります。
その期間にいつのまにか、最低必要な従来型の法律の修得まで(現在平均26〜27歳まで掛かっているのが実情です。)ちゃんとやらねばならないとしたら、その結果タルや殆ど先が知れているでしょう。
司法試験のレベルを大幅にダウンさせるか、もしくは、学生は結局ダブルスクールで予備校に通うしかなくなるのではないでしょうか?
学生にしてみれば法科大学院の学費だけ損するような感じです。
如何に知的財産権だ、渉外取り引きだと言っても、基礎になる法律学の修得は従来とおり必要なことは、誰も否定出来ません。
基本の法的思考力・論理を理解しないまま最先端の実務に取り組むのでは、シロウトが経験さえ積めばいいと言うのと変わらなくなります。




関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:修習生に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:法科,大学院 に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:社会の高度化、教育に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資