06/17/03
司法修習制度7(教科配分の硬直性)
従来の日弁連の増員論は、「基本的人権擁護の為に法律家がもっと多く必要だ」と言うものでしたが、それだけに政府や裁判所はなかなか乗って来ませんでした。
今回の大増員は、人権擁護の為の法律家増員ではなく、所謂ビジネスローやーを増やす点に主眼が有るのですから、金融取り引きや海外法に精通した法律家の養成が本来求められているのです。
これらは本来、弁護士の職務ですから、研修所のカリキュラムでは、民事系共通講議などの工夫修正はしていますが、基本的には民事弁護教科の枠内で選択科目としてしか対応していません。
それならば、従来の民事裁判、刑事裁判、検察の各授業を削減して弁護科目の時間を増やす対応をすべきなのに、それらの枠組は同じです。
私に言わせればおかしな事だと思っています。
刑事裁判も必要、あれもこれも必要と言う役所的論理ですから、従来の民事弁護の限られた時間内のやり繰りになっているのです。
ニーズが拡大しているのは民事弁護の分野ですから、世の中に適応しようとするならば、拡大する分だけどこか削るか、修習期間を延長しなければ、時間的にパンクしてしまいます。
それが逆に、人数が増えた分の予算措置が出来なくて、期間を4分の3にしているのですから、もう無茶苦茶と言っていいでしょう。
その結果民事弁護の科目は殺人的スケジュールになります。
実務修習においても同様です。
研修所におけるカリキュラムでは、弁護が民刑合わせて2課目(全体の5分の2)あるのに、実務修習は、従来の16ヶ月から12ヶ月に短縮したのですが、民事裁判、刑事裁判と検察、弁護に3ヶ月づつですから、実務修習では全体の4分の1しかないのです。
本来ならば2コマ分の6ヶ月でなければなりません。
これに加えて昨今、海外取り引きや金融取り引きなどの裁判外需要があってこれに適応する法律家が求められて、増員したのにおかしなものではないでしょうか?
むしろ弁護科目を刑事、民事だけでなく裁判外法律業務と言う科目を1コース増やすくらいが必要ではないでしょうか?
こうしてみると、民事取り引きが殆どなかった終戦直後の分配を、そのまま維持している司法研修所のカリキュラムは、硬直しているとしか言いようがありません。
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