06/12/03

3権分立(憲法15)4

日本国憲法の司法権の章は、分かりやすい文章ですから読めば大体分かると思います。
最高裁判所が、法律や国家行為の合憲性審査の終審裁判所であると明記され、最高裁判所で違憲と判断されれば、憲法上これに異を唱える事の出来る機関は存在しません。
その前提として最下位の地方裁判所又は簡易裁判所でも憲法違反かどうかを判断出来る事になったのです。
憲法判断には、裁判所の機能としては、争訟性がなければならないと言う判例が確立していています。
そこで、具体的な争いがあって、その前提としての法律や行政行為が憲法に違反しているか否かが争われるのです。
例えば、砂川基地闘争事件や恵庭事件と言うのは、その処罰を求める刑事事件に於いて、その前提たる日米安保条約が、違憲か否か、自衛隊法の合憲性が争われた訳です。
このように1審=地方裁判所も違憲か否かの判断が出来ますので、地裁とは言え、仮に、違憲判決が下されると、その影響力は大きなものがありました。
裁判官の地位の保障も手厚くなり、単に免職されないだけでなく、意に反した転任を拒否したり、減給されないなど、かなり具体的な保障規定が憲法に盛り込まれました。
裁判官の相対的な地位を上げる為にも、裁判官の給与水準そのものが、行政庁よりも低いのでは優秀な人材が集まらず、ひいては風下に立つ事になって、裁判所の判決が尊重されません。
1番優秀な人が大蔵省=現在の財務省に就職し、その次は通産省(今の経済産業省)その次は○○と順番に就職して行って最後に給与の一番安い、待遇も悪い、天下りも利権もない裁判所に行く時代になったらどうでしょう?
理念に燃えて就職する人もいるでしょうが大方は成績の最下位の人が就職する事になりかねません。
そうなると、各省庁の役人が決めた政策に付いて、裁判所が自信を持ってこれは法律に違反してるとか、憲法に違反していると宣言する自信がなくなってしまうのではないでしょうか。
裁判官が自信を持って判決を書ける為には、「採用段階から格段に差をつける必要がある」と言うのがGHQの考えだったと思われます。
新たに司法試験制度を設け、(戦前の高等文官試験とは別格の)合格者には破格の高給で2年間の修習を受けさせることにしたのです。
発足当初は、行政庁に就職すると初任給なのに、修習生になると更に2年も勉強出来るほかに本省課長クラスと同等の給与(と言われています。)を勉学中の修習生に支給する事にしたのです。
勿論学費もいりません。
この優遇された制度のお陰で、俊秀が司法部門に集まり、戦後の民主化を押し進める幾多の判例を生み出す原動力になったのです。

 


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