06/03/03
判例形成の実際と役割 4(議会制民主主義の補完機能2)
ハンセン病の強制隔離による人権侵害の悲惨さは、目を覆うものが有ります。
ハンセン訴訟が、有志弁護士によってなされ、日弁連自体の取り組みが遅かった事が批判されている程、今や、日弁連の役割が大きく期待されています。
法律は、改正すると必ず既得権益層が損をする関係にあって、(あるいは関係した役人の責任問題回避)正義に反していても、容易に改正出来ない事が有ります。
しかも被害を受けるのは殆どの場合、国民全体から見れば少数者です。
日照被害であれ、各種公害、すべて、関わった少数者の被害が問題であって国民大多数が被害者になる訳では有りません。
政府権力者が大企業の味方ばかりしているから、裁判するより外ないと言う野党的論理で片ずく問題では有りません。
共産党が政権を取れば同じように少数者の無視の問題が生じるでしょう。
議会制民主主義は、多数者の意見を代表するシステムですから、加害者が大企業であれ、小企業であれ、被害者が全国で何万人いても、その選挙区で少数者であれば、代議士は多数票の方を大事にするのは当然です。
その結果、少数者の人たちが不当に被害を受けて我慢を強いられている場合、議会の法律制定や改正をまっていると、百年河清を待つような事になってしまいます。
特に既存の法の場合、必ず、その改廃によって損害を受ける既得権益層が生じていますので、悪法であれば有る程、いつまでものさばってしまう、あるいは新しい法が生まれ難いのです。
多数決原理は意見が違った時に最後は多数の意見で行動しましょうと言う事ですが、公害被害や、正義に反する事があってもそれを代表する人がいないと言うのは、多数決以前の問題ではないでしょうか?
こうした現象は議会制民主主義の病理的側面と言えるでしょう。
こうした場合に新判例(弁護士が訴えなければ判決が有りませんので、弁護士の果たす役割と同義です)の果たす役割が極めて大きくなっています。
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