06/03/03
判例形成の実際と役割 3(議会制民主主義の補完機能1)
判例の第3の類型としては、取り引き慣行は有るが、それはどうも強者に都合が良過ぎて弱者にとって不利すぎるような場合、(商慣行や社会慣行が社会正義に反する場合)弁護士から立法運動的に判例を求めて裁判を起こす事が有ります。
最初は、労働者の人権を守る為の訴訟が多かったようですが、労災追及があったからこそ、職場の労働環境が向上し、そのうち、いじめ問題、セクハラ訴訟、消費者被害救済の各種訴訟、水俣病に代表される公害裁判や、日照権、先物取り引き被害、クレサラ訴訟、(クレジット、サラ金問題全般)産業廃棄物処理問題、行政情報開示請求等々、世の中の進展をリードした幾多の判例が有る事を皆さんも御存じでしょう。
この種の被害者の救済に取り組む弁護士の活動によって、昭和40年代から今日まで、かなりの判例が世の中の進歩に貢献して来ました。
国籍法の改正が昭和59年まで遅れた事を「国籍法2」のコラムで批判しましたが、弁護士による違憲訴訟が起きて、やっと法律改正になったのです。
なお、ここ近年の出来事としては、薬害エイズ、ハンセン病者の隔離問題が有ります。
これも有志弁護士が裁判闘争をして行った結果、遂に政府がこれに従う事になったのです。
判例変更が遅れても、前々回のコラムで紹介した第1類型の場合、実際の運用で解決出来ますから、社会的に何ら不都合は有りません。
国籍法の改正が昭和59年まで遅れた事を批判しましたが、国籍法は強行法規ですから、運用で、まあいいかと言う訳には行きません。
法律の壁があって、この間、国籍を取得出来ない被害が発生していたと言う大きな違いが有るのですから、被害を受けるのは少数かも知れませんが、こういう悪法は1日も早く改正すべきだったのです。
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