05/30/08

優生保護法15(別表3)

第4条の強制優生手術の規定は、別表各号に該当する場合ですが、たとえば、第一号2号の表題が「遺伝性精神病」とあるので、もしも弁護士が遺伝性がないとして争そってきた場合に備えて、仮に遺伝性がなかろうとも関係者の同意を取っておけば、12条で対応できると言う「意味深」な規定なのでしょうか?

しかし、はっきりした遺伝どころか、遺伝性・・と言うおぼろげな関係すらないならば、何のために優生保護法・・断種術が必要なのでしょうか?

優生法や優生保護法は、次世代に劣悪な素質を遺伝して行かないようにするための法律だったはずです。

 

優生法

第一条 本法ハ悪質ナル遺伝性疾患ノ素質ヲ有スル者ノ増加ヲ防遏スルト共ニ健全ナル素質ヲ有スル者ノ増加ヲ図リ以テ国民素質ノ向上ヲ期スルコトヲ目的トス
第二条 本法ニ於テ優生手術ト称スルハ生殖ヲ不能ナラシムル手術又ハ処置ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ謂フ

 

もしも前回紹介したような目的で、遺伝性の証明されないものでも、本人ではなく関係者の同意さえあれば・・しかも公益性の審査も無く精神病にかかった以上は、生殖不能化手術をできるようにしようというものであるとすれば、遺伝性があるというのは実は言いがかりでしかなく、何が何でも優生手術をやってしまいたいという当時の非合理な動機が見え見えとなります。

この思想が典型的に現れているのが、らい病者に対する優生手術です。

既に紹介したように、らい病だけは別の項目になっていて遺伝性の有無を問わない仕組みに初めからなっているのです。

これこそが、当時の思潮・・本質をあらわした規定ですし、それだけに、最も早くから馬脚を現して社会問題になってきた原因です。

27日に紹介した第三条1項三号をもう一度見てください

第三条

一 本人若しくは配偶者が遺伝性精神病質、遺伝性身体疾患若しくは遺伝性奇形を有し、又は配偶者が精神病若しくは精神薄弱を有しているもの

二  本人又は配偶者の四親等以内の血族関係にある者が、遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神病質、遺伝性身体疾患又は遺伝性畸形を有しているもの

三  本人又は配偶者が、癩疾患に罹り、且つ子孫にこれが伝染する虞れのあるもの

らい病の場合、遺伝性に関わらず、(条文を見れば分かるように、子孫に遺伝するのではなく伝染するという不思議な条文です)生殖能力を不能化してしまえる規定になっているのが不思議です。

この後に紹介しますが、らい病は隔離の始めっから伝染性疾患であることが分かっていたからです。

 



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