05/29/08
優生保護法13
続いて紹介する12条13条は、制定直後の条文を事務所で見たところ、審査会申請の規定でなく、本人および配偶者の同意を得て特定遺伝疾患の場合、指定医師の「任意」による中絶手術を認めた規定でした。
これが何時どのように改正されて、現在引用している以下の規定に変ったのか、その経過が分かりませんし、しかも第4条との整合性が良く分からない規定ですが、一応全部紹介しておきましょう。
そして、第12、13条では、4条以下にある公益性の要件をはずし、ようやく「本人保護のために必要であるかどうか」が審査対象に変っていますが、これは、あとから(この法律が事実上廃止されて改題される平成8年の直前ころに)追加されたものでしょうか?
優生保護法
(医師の認定による優生手術)
(精神病者等に対する優生手術)
第十二条 医師は、別表第一号又は第二号に掲げる遺伝性のもの以外の精神病又は精神薄弱に罹つている者について、精神保健法(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十条(後見人、配偶者、親権を行う者又は扶養義務者が保護義務者となる場合)又は同法第二十一条(市町村長が保護義務者となる場合)に規定する保護義務者の同意があつた場合には、都道府県優生保護審査会に優生手術を行うことの適否に関する審査を申請することができる。
第十三条
1 都道府県優生保護審査会は、前条の規定による申請を受けたときは、本人が同条に規定する精神病又は精神薄弱に罹つているかどうか及び優生手術を行うことが本人保護のために必要であるかどうかを審査の上、優生手術を行うことの適否を決定して、その結果を、申請者及び前条の同意者に通知する。
2 医師は、前項の規定により優生手術を行うことが適当である旨の決定があつたときは、優生手術を行うことができる。
05/19/08優生保護法7(審査会制度1)以下で紹介しましたが、第4条では別表に該当し、公益の必要性があれば、本人の同意が無くとも診断した医師は「申請しなければならない」とする強制的条文です。
この違反に対する罰則はありませんが、それは時の政治情勢次第ということでしょう。
弁護士会のいろんな規定も最初は訓示的規定ですが、そのうちそれに反すると弁護士倫理に反するという基準になって、時勢次第で、懲戒の対象行為になったりします。
らい病者狩りが横行していた時代には、この規定だけで医師に対する充分な強制力を持っていたでしょう。
ところが、12条の条文では4条とおなじ別表を使いながら、そのうち1号2号だけは、(次回以下に書くように「・・・・・以外の」と言う文言が挟まっていますが・・・・・)関係者の同意を得て、(4条とは違い公益性の有無に拘わらず?)「申請することが出来る」規定になっているように見えます。
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