05/25/08

具体的危険犯と抽象的危険犯(道路交通法3)

皆さんの最も身近な例では、道路交通法の酒気帯び運転罪が抽象的危険罪にあたるでしょう。

酒気帯びを通り越して、酩酊してふらふら運転になれば、・・飲酒運転といいますが、見るからに危ないので、危険発生の確率が高いことから、この段階で具体的危険犯として単なる酒気帯びに比べて刑罰が倍近い重さになります。

以下紹介する道路交通法117条の21項と117条の2の2の1項とを比べてみてください。

酒気帯びでは3年以下と罰金50万円以下に対し、具体的危険のある正常な運転できないオソレになると罰金は倍の100万円、懲役も5年以下に引き上げられます。

 

道路交通法

(酒気帯び運転等の禁止)

第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

1.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一  第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

 

無免許運転罪は、まだ具体的な危険が発生していないうちに処罰するものですから、抽象的危険罪ですだから、免許を持っている人よりも自分の方が、運転が上手だと証明しても無罪にはなりません。

各種資格制度と無資格者の処罰は、こうした抽象的危険犯の類型です。

道路交通法の中のルール違反でも、信号無視は危険性が高いので、タマタマ誰かと衝突しそうになった場合ではなくとも、深夜誰もいない信号でも無視すると抽象的危険犯として処罰されます。

これらに対し、もっとリスクから遠く抽象性が高いものは、刑の対象にもならず、反則金という行政罰にとどまり、運転免許の減点だけで終わりになる仕組みです。(125条以下)

速度違反の軽いものや駐車違反あるいは、通行区分帯違反などは、先ずは、反則金だけです。

道路交通法

第百二十五条 この章において「反則行為」とは、前章の罪に当たる行為のうち別表第二の上欄に掲げるものであつて、車両等(重被牽引車以外の軽車両を除く。次項において同じ。)の運転者がしたものをいい、その種別は、政令で定める。

 



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