05/20/08
名古屋刑務所事件(密室の怖さ)1
この審査会制度は、適正手続きとしても若干問題があります。
と言うのは、この法律では患者本人が脇役になっていることもあって、審査会での当事者にはなっていないのです。
手術を受ける対象者は申請人でも同意者でもなく本人の知らぬところで、手続きが始まって終わる・・決定が出る仕組みです。
審査会の決定が出てから初めて、本人や家族に通知が来て、これで初めて知ったときに不服申し立て権が保障されているだけです。
申請人になるのと同意権しかないのとでは、大きな違いがあることを05/18/08「優生保護法6(同意とは?)』のコラムで書きましたが、同意どころか既に決まってしまった事柄に不服申し立てから始めなければならないのでは、当事者にとっては大変な負担です。
消極的同意を通り越して積極的反対の申立てを要求しているわけで、当事者の意思表示をしにくくした制度と言えるでしょう。
この意味では、適正手続きと言っても形だけ作った感じです。
そこで、適正手続きを別として内容の正しさについてはどうでしょうか?
犯罪を犯した人間が服役するかどうかを決めるのには、犯人に決定権がないのは分かりますが、何にも悪いことをしていない人・・積極的な害悪を社会に及ぼしていない人が、他律的な有益無益と言う基準だけで、本人の意見を無視して生殖能力が奪われ、隔離されるのは、おかしいのではないでしょうか?
隔離というと何となく、コレラやサールスにかかった患者などの一時的・臨時緊急避難的なイメージですが、この後にらい予防法制定過程における国会の意見陳述をで紹介しますが、らい療養所に一旦入れられると、逃走罪まで用意されている囚人扱いで、しかも遺伝性・・不治の病という宣告ですから、終身出られない生き地獄でした。
一生涯外に出られないとなれば、密室ですから、関係者の人権侵害も半端なものでは無くなります。
名古屋刑務所の人権侵害が表に出ましたが、これは死亡者が出たので判明しただけで、そこ、までいかない程度の虐待はうずもれているのでしょうから、これは氷山の一角というべきでしょう。
これは一定期間経過すれば出所する前提の服役者相手でしたが、それでも密室というのはこう言うことになりがちです。
らい療養所の場合には、療養所内で死体も始末できる・・・一応医療施設なので、内部医師の死亡診断書で足りるからです。
もちろん傷害くらいでは、問題になりません。
そのうえ、終身なので引き取り手もいないし、マルデ何も明るみに出ない・・分からない状態です。
らい予防法が廃止されても、帰るべき家も身内もいなくって困っている人が多く、政府の責任で生涯保障する必要に迫られているくらいです。
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