優生保護法8(審査会制度2)
戦後、手続きだけ審査会制度にして透明化したといっても、それは飽くまで、本当に悪質遺伝疾患か否かのチェックと、公益性と言う視点だけで、本人の人権侵害にならないかという視点は考慮しない仕組みになっているのです。
ちなみに、公益性と言うのは便利な要件で、戦後直後ころには戦前同様に特殊才能の有無が中心だったでしょうが、人権意識が高まってくると、あえて断種手術をするだけの公益的必要性があるかどうか、人権侵害とのバランス判断にも使える概念だった筈です。
問題は、審査委員たちがどのような基準で公益性の判断・・運用していたのかというところです。
さしあたり条文の紹介です。
審査会決定に不服があれば、さらに公衆衛生審査会に不服申し立てでき、さらにこれに対して9条で裁判所へ訴えることも出来る仕組みです。
(再審査の申請)
第六条
1
前条第一項の規定によつて、優生手術を受くべき旨の決定を受けた者は、その決定に異議があるときは、同条同項の通知を受けた日から二週間以内に、公衆衛生審議会に対して、その再審査を申請することができる。
2
前項の優生手術を受くべき旨の決定を受けた者の配偶者、親権者、後見人又は保佐人もまた、その再審査を申請することができる。
3
前二項の規定による再審査の申請は、優生手術を受くべき旨の決定をした都道府県優生保護審査会を経由して行わなければならない。この場合において、都道府県優生保護審査会は、必要な意見を附さなければならない。
(優生手術の再審査)
第七条
公衆衛生審議会は、前条の規定による再審査の請求を受けたときは、その旨を、手術を行うべき医師に通知するとともに、審査の上、改めて、優生手術を行うことの適否を決定して、その結果を、再審査の申請者、優生手術を受くべき者、都道府県優生保護審査会及び手術を行うべき医師に通知する。
(審査に関する意見の申述)
第八条
第四条の規定による申請者、優生手術を受くべき者及びその配偶者、親権者、後見人又は保佐人は、書面又は口頭で、都道府県優生保護審査会又は公衆衛生審議会に対し、第五条第一項の審査又は前条の再審査に関して、事実又は意見を述べることができる。
(訴の提起)
第九条 公衆衛生審議会の決定に対して不服のある者は、その取消しの訴を提起することができる。
(争訟の方式)
第九条の二 第五条第一項の規定による優生手術を受くべき旨の決定に不服がある者は、第六条及び前条の規定によることによつてのみ争うことができる。
(優生手術の実施)
第十条 優生手術を行うことが適当である旨の決定に異議がないとき又はその決定若しくはこれに関する判決が確定したときは、第五条第二項の医師が、優生手術を行う。
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