05/12/08
精神病慈善団体の設立
話を戻しますと、らい病その他各種種伝染病の隔離施設同様に、精神病に対しては、病者の為の隔離施設ではなかったので、多分悲惨を極めたのでしょう・・・ようやく慈善目的の団体が発生したのが明治35年です。
こう言う役割としては、元総理夫人は知名度が高いので、世論の啓発効果が大きく、結構役に立つもので、現在でも元総理夫人があちこちで人権問題や環境問題で活躍しているのは、こうした歴史があるからでしょう。
精神病者慈善救治会は、当時精神病の病室がなかった東大に精神病室を寄付しているそうで、単なる救済運動ではなく学問的研究への助成もしているのです。
明治43年には、ついに私宅監置の実態調査が始まりました。
元々面倒見切れなくて家から放逐していたものを、個人・・一族での監置を義務付けても半永久的に(今でも簡単ではありませんが、当時はなおの事、治る見込みがなかったのです)3食無駄飯食わせる経済力が庶民にはありません。
まして、掘っ立て小屋類似の小さな家に住む庶民には、座敷牢みたいな監禁施設を別に用意することも出来ません。
こう言う状態で無理に監禁させるとその待遇は、劣悪悲惨さがきわまってきます。
慈善団体の活躍がでてきて、続いて実情調査・・監禁施設の改善運動から、必然的(この点は後に書きます)に公的病院設立への要望が高まってきます。
前置きが長くなりましたが、「日本における精神医療関連法規の歴史」(引用)のつづきです。
年表
明治35年(1902)
精神病者慈善救治会設立。
大隈重信夫人を会長とする民間の精神障害者救援慈善団体(精神病者救治会、日本精神厚生会、日本精神衛生会、日本精神衛生連盟として現在に連なる)
明治40年(1907)
精神病者の公費収容、委託監置がはじまった。
明治43年(1910)
東京帝国大学教授 呉 秀三、教室員を動員して1都14県の精神病者私宅監置の実地調査を開始(大正5年に終わる)
明治44年(1911)
官公立精神病院設置に関する建議案(山根正次代議士)が衆議院に提出されるも、「官公立病院設置に関する」建議案に訂正されて可決された。
大正5年(1916)
保健衛生調査法官制令による調査会が全国の精神障害者拠遇実態一斉調査を行った。
大正7年(1918)
呉 秀三、堅田五郎が「精神病者私宅監置ノ実況」を著し、精神障害者の私宅監置の実状、民間療法の様子などに関する調査報告、問題点の指摘と検討、現行制度への批判を行い、精神病に関する施設の整備、法律の整備、一般国民に対する啓発、精神病者を治療または監督する人に対する精神医学的知識の普及等を提案した。
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