05/10/08
親族の責任と精神病者監護法2
以上のとおり、明治31年に民法が出来上がって始めて、親族とはどこまでを言うのか、親子関係はどうあるべきか・・相互生活扶助義務もはっきり決められます。
それまでは儒教道徳だけで、孝行を強調する儒教社会なのに、生活が苦しければれば親を山に捨てても良いような・・姨捨山・・あやふやなルールだったのです。
西洋でも、生活に困って子供を森に捨てる有名な童話・・ヘンゼルとグレーテル・・があります。
それどころか中流前後家庭では病気になると路傍やどこか目に付かないところに捨てられてしまうのが普通だったらしいのです。
こうした背景でこそ、特別な飢饉というのではなくとも、あちこちにうち捨てられた死体がある、(死体が捨てられていたのではなく、死ぬの前に捨てられるのです)羅生門の話が理解できるでしょう。
子猫をどこか遠くへ捨てる習慣がありましたが、人間に対しても手に負えなくなるとあっさり捨ててしまう時代が長く続いていたのです。
無能力者に対しては、後見人制度も出来るなど、いろんな準備が整い、子供や親を捨てるようなことが出来ないルール・相互扶助義務が民法で決まったのです。
こうした準備の上に明治33年に、これまで紹介している精神病者監護法が制定され、監護義務者を定めて、その順序も決められたのです。
精神病者監護法(明治33年法律第38号) (中野文庫よりの引用)
第一条 精神病者ハ其ノ後見人配偶者四親等内ノ親族又ハ戸主ニ於テ之ヲ監護スルノ義務ヲ負フ但シ民法第九百八条ニ依リ後見人タルコトヲ得サル者ハ此ノ限ニ在ラス
2 監護義務者数人アル場合ニ於テ其ノ義務ヲ履行スヘキ者ノ順位ハ左ノ如シ但シ監護義務者相互ノ同意ヲ以テ順位ヲ変更スルコトヲ得
第一 後見人
第二 配偶者
第三 親権ヲ行フ父又ハ母
第四 戸主
第五 前各号ニ掲ケタル者ニ非サル四親等内ノ親族中ヨリ親族会ノ選任シタル者第三条 精神病者ヲ監置セムトスルトキハ行政庁ノ許可ヲ受クヘシ但シ急迫ノ事情アルトキハ仮リニ之ヲ監置スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ二十四時間内ニ行政庁ニ届出ヘシ
2 前項仮監置ノ期間ハ七日ヲ超ユルコトヲ得ス
3 行政庁ノ許可ヲ受ケテ監置シタル精神病者ノ監置ヲ廃止シタル後三箇年内ニ更ニ之ヲ監置セムトスルトキ又ハ民法第九百二十二条ニ依リ禁治産者ヲ監置セムトスルトキハ行政庁ニ届出ヘシ第四条 精神病者ノ監置ノ方法又ハ場所ヲ変更シタルトキハ二十四時間内ニ行政庁ニ届出ヘシ
第五条 監置シタル精神病者治癒シ死亡シ若ハ行方不明ト為リタルトキ又ハ其ノ監置ヲ廃止シタルトキハ七日内ニ行政庁ニ届出ヘシ
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