05/06/08

瘋癲白痴とは?1(旧刑法)

第3次小学校令では、それまでの疾病、家計困窮者の免除程度の文言だったのが、「瘋癲白痴」「不具廃疾」として障害の内容が具体的になってきました。

(前者は精神面で後者は身体運動能力のことでしょう)

ただし、免除者の類型が詳しくなったと言うだけで、前記のように従来同様に免除規定だけで、せっかく分類した弱者をどのように教育するかの視点・・特別養護学級の設立までは予定していないのです。

それにしても、瘋癲(ふうてん)白痴とはずいぶん古風な表現です。

瘋癲とは、精神病に対する古くからの呼称ですが、第三次小学校令制定時点(明治33年制定です)で、こうした古風な日常語と言うか俗語を法令に記載する妥当性が問題です。

言葉の変遷については、法律を通して見るしか私には分かりませんが、明治13年の旧刑法ですらこうした漠然とした表現ではなく、「知覚精神の・・」と書かれていて既に「精神」と言う核心的用語が利用されていたことがわかります。

以下に紹介するのは、現行法(明治40年制定)の心身喪失者に関する条文の前身です。

現行法と両方を挙げておきましょう。

旧刑法制定の経過、および現行刑法への変遷については、09/02/06「刑事関係法の歴史19(旧刑法5)刑法典論争」前後のコラムで連載しました。

明治十三年太政官布告第三十六号(旧刑法)
(明治十三年七月十七日太政官布告第三十六号)

 
第七十七条 罪ヲ犯ス意ナキノ所為ハ其罪ヲ論セス但法律規則ニ於テ別ニ罪ヲ定メタル者ハ此限ニアラス
2 罪トナルヘキ事実ヲ知ラスシテ犯シタル者ハ其罪ヲ論セス
3 罪本重カル可クシテ犯ス時知ラサル者ハ其重キニ従テ論スルコトヲ得ス
4 法律規則ヲ知ラサルヲ以テ犯スノ意ナシト為スコトヲ得ス
第七十八条 罪ヲ犯ス時知覚精神ノ喪失ニ因テ是非ヲ弁別セサル者ハ其罪ヲ論セス

 刑法 (明治40・4・24・法律 45号) 

(故意)

第38条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。

3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

  (心神喪失及び心神耗弱)

第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。

 2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

 



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