05/29/07
観光は産業政策か?1
安倍総理の「美しい国」のスローガンと同じで、産業政策として見ると、観光立国というのは、焦点が定まらず漠然としている点は同じです。
産業として、何を育成しようとするのかが見えません。
そもそも観光は、何か世界的に誇れるもの(自然であれ、遺跡であれ、)に付随的に生じる産業であって、それ自体で国民を養えるような産業ではないでしょう???
トヨタや京セラが世界先端産業であってこそ、トヨタや京セラの工場見学もツアー価値が出るでしょうが、工場見学ツアー客自体を目的にした産業を考えるのは、本末転倒です。
世界的芸術家や文豪その他偉人の生誕の家や居宅を見て歩くツアーも、あるいはピラミッドも結果として出来ただけであって、観光資源として意図して作り上げるものではないのです。
もちろん奈良の大仏も京都のお寺も同じことで、観光資源として意図的に造ったものではありません。
もしも本気でやるとしたら、大芸術家などを輩出する風土から作っていくしかないでしょうし、あるいは、ソニーやトヨタのように世界で活躍する企業を育てた後にその余韻が来るに過ぎません。
ある時代を風靡した歴史的遺物をモニュメントとして、人が訪れるのを期待するのなら、そんな代物は政策として作り出すことはできません。
(それは、結果的にそうなっただけです)
旅行や観光は、何のためにするのかと言うことについては、のちに書きますが、ここでは、第一、日本の歴史上の偉人や遺跡は、外国人に興味があるのか?という問題だけ提起しておきましょう。
日本に来たついでに見るでしょうが、それを目的に訪問する外人はいるのか?という意味です。
このようなへ理屈は別としても、観光立国政策は、夕張市の実験で失敗しているのですから、これに懲りずさらに国を挙げて大掛かりに観光立国を標榜するのは、政策当局としては無策すぎるでしょう。
ところで、観光立国が成功したとして、多くの国民を養えるのでしょうか?
たとえば、常磐炭鉱の跡地を20年近く前に見に行った(それを目的に行ったのではなく、ついでに立ち寄っただけですが・・・)ことがありますが、そこで膨大な炭鉱夫が働いていたころとくらべて、跡地の博物館などで働ける人の数は10人単位でしかない印象でした。
観光立国とか観光による地域振興政策は、地味で時間のかかる産業起こしと違って、どうでも良いようなキャンペインをしたり、立て看板を立てたり、観光センターと言う箱物を作ったり、何とか協会に県の役人が天下ったり、やることが安直ですから、為政者は直ぐに飛びつきやすいだけでしょう。
個人の生き方で言えば、生きていくための技術を根気よく磨くよりは、成人した人間であれば誰でも出来る性産業や、ウエートレスのような職業に飛びつくのと似ています。
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