05/18/07

法定刑の細分化 14(公判の活性化)

現在は、この種類区分けを捜査段階で密室・・非法律的(・・と言うことは、基準があるのかないのかあいまいになっていると言う意味でしょう)に選別し、その結果検察の裁量で罰金を求刑したり、公判請求したりしているのです。
公判になっても、量刑の事情は総合判断で良いことになっていて、事実上密室化しているのです。
むしろ法定刑を細分化していけば、その基準を判例として公表して行くことになるのですから、合理的学問的な批判の対象にもなって合理化されるでしょうし、国民にとっては同じ窃盗でも傷害でも、この程度ならどのくらいの刑になると言う基準が分かっていいのではないでしょうか?
今は、我々弁護士が長年の経験で、この程度なら罰金で収まるだろうとか、実刑とか懲役何年くらいと勘で先を読んで被告人に説明しているのですが、何となく非合理・不透明な感じです。
むしろ公判で明らかにして、公開の批判を受けながら基準を作っていく方が、法治国家の要請に適うでしょう。
5月6日の1のコラムで紹介したように、傷害罪は懲役15年以下から罰金まである、ものすごい大きな幅があるのですが、この中のどの刑にするかの基準を密室で決めていく方がおかしいでしょう。
むしろ、こう言う場合には、懲役3年、こういう場合には懲役5年、あるいは、この程度なら罰金などの法定刑を細かく決めていけば、検察や裁判所の裁量の幅もなくなり、この基準にあたるか否かだけが公判の争点になってきます。
細かく刑が法定されていれば、どの基準にあたるか否かで刑が自動的に決まってくるので、裁判所に気に入られようとする必要もなく、今の情状中心の裁判から明瞭な訴訟進行になっていくでしょう。
現在のような無茶に幅の広い法定刑では、公判請求されてからの弁護活動では、違反事実があるのが、ほぼ100%の事件ですから、(交通事故でもみんなそうです)実質の争点は、その事件(著作権侵害は)は偶発的かどうか、利益目的でなかったかどうかの争いをするのが普通ですが、これは有罪無罪に関係がないので、法律上は、「情状の主張」にしかなりません。
(飲酒運転事故の場合、ショッチュウ飲酒運転していたか、このとき偶発的事情で飲酒運転したのかなどが、公判審理の中心です)
そもそも、情状中心の裁判では、権利主張ではなく、お涙頂戴のお願いですから、裁判所に対してぺこぺこするような裁判形式となります。
裁判所にとっては気持ちが良い形式でしょうが、刑事裁判が形骸化してしまう原因になっているのです。
こうして、弁護側としてはいくら頑張っても情状でしかないので、最高の出来でも、結局は懲役刑+執行猶予にしかならないのでは、社会的影響力に差がないので、弁護側の争い方としても虚しいのです。
(これまで書いているように執行猶予の場合ならば、失格しない法律に変われば別ですが・・・。)



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資