05/16/07

刑事処罰拡大の危険性9(各種資格の制限4)

このように現在の各種業法の免許が、その業法違反に限らず、どのような法律違反でも、禁錮以上の刑になると・・すなわち公判請求されると無罪でない限り欠格になる・・・一般化が問題なのです。
昔は自然犯(殺人や泥棒など)中心でしたから、そんな悪い人はまともな仕事に付けないようにしようというコンセンサスがあったかもしれませんが、今は交通事故に始り各種取り締まり法規が、無限と言うほどあるのです。
しかも門外漢には、良く分からない状態なのですから、その業者にとっては、商業モラルを守れないのは、人格的非難の対象でしょう。(だから刑事犯罪なのです)
門外漢がちょっと参入して犯したときには、せいぜい過失ですから人格的非難とは関係がなくなっているのです。
せいぜい、その取り締まり法規に反したら、その業に関する運転免許取り上げ、証券外務員の資格取り上げなど、その業種ごとの資格制限で足りるし、またそうすべきでしょう。
貸金業法に違反したからと言って、別の商売をさせないと言うのは行き過ぎです。
欠格事由は、その業法あるいは周辺行為違反だけに法の明文で限定すべきでしょう。
周辺行為と言うだけでは、不明朗ですが、それは、その業法ごとに欠格になる犯罪を列挙すればいいのです。
不動産屋とか建築士で言えば、都市計画法違反なども親戚筋になるでしょうが、道路交通法違反や業務上過失致死傷罪などは除かれるべきです。
建築士法では、禁錮以上の場合でも、自動的に欠格になるのではなく、
「与えない事がある」
と言う裁量にゆだねているのですが、当然思いつきでやっているわけではなく、何らかの基準があるでしょう。
検察の起訴便宜主義の基準同様に、監督官庁では、どうせ基準があるならば、その裁量基準を公開・・法定するべきなのです。
密室の裁量が多すぎると、権力者の私的権威ばかりが強くなって、法治国家とはいえないでしょう。
今では、何かしようとすれば小さくとも会社組織にしないと、どこの大手企業も取引してくれない仕組みになっていることを、09/09/03「何故、実態以上の会社組織にしたがるのか?(商法21)」のコラムで紹介しました。
刑余者が会社役員になれない法律がある訳ではないですが、殆どの業法で欠格事由にしているために、現場労働以外には、実質的に正業につく道を閉ざされてしまうのです。
刑事処罰を受けると、昔で言えば、領地を取り上げられた元大名や、非人に落とされるような社会的処分がセットされていると言えるでしょう。



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