05/14/07

法定刑の細分10(刑法84)窃盗罪1

ことのついでに犯罪類型が複雑で刑罰の幅が無茶に広い窃盗罪も紹介しておきましょう。
これは数年前に罰金も追加されたので、傷害罪同様に「犯罪になるよ」という程度の法律になっています。
「万引きが多くなって、懲役にするにはきつすぎる場合が多くなって来た」と言うのが、罰金刑追加の理由です。
しかし、私に言わせれば、法定刑を広げる方向にばかり行かず、万引き類型に適した狭い条文を作ればいだろうと言う考えです。
ところで、10年ほどもの懲役刑を受ける場合は、一回キリの窃盗ではありえないので、何件も余罪のある窃盗団のような場合でも滅多に有りません。
この場合には、以前紹介した併合罪加重(1・5倍)があって、実際には15年以下の法定刑になっているのです。(傷害の場合には実に22年半にもなります。)

刑法
(窃盗)
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(有期の懲役及び禁錮の加重)
第47条 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

しかし、これでは刑の幅が広すぎて、「泥棒したら大変なことになるよ!」と言う程度の意味にしかならないのです。
罪刑の法定と言う意味からすれば、「万引きの刑は説教から罰金まで」「置き引きは・・・」「スリは・・・」「住居侵入窃盗は・・・」「複数犯の場合・・」「被害金額別に・・・」その他前科などを組み合わせる形式にするべきでしょう。
裁判・・公判の審理は、まさに上記きめ細かな基準に該当する事実の有無だけを争い、裁判所は、その事実認定すればよくなるのです。

どこまで言っても基準内の当て嵌め・職人芸が必要ですが、裁量の幅を出来るだけ狭くして行く努力をするべきでしょう。
法定刑の細分化の効果・・メリットについては、ちょっと別のテーマを書いた後に(少しあけて)再び書いていきます。



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