05/13/07
法定刑の細分6(刑法80)傷害罪1
今でも、どう言う事情の積み重ねがあれば、殺意があったと認定できるか、共謀があったと認定できるかの事例集積にこそ判例の意味であることには争いがないでしょう。
殺人そのものがいけないことや共犯も有罪であることは法で決まっているのです。
私の主張は、これを一歩進めて、どの程度の覚せい剤の量があれば、原則として懲役何年とか執行猶予などの量刑相場を法律に高めてもいいのです。
もちろん逮捕要件同様に、覚せい剤の量(窃盗などの被害額や傷害の程度・・法的には「結果無価値」と言います)と前科の関係、組織の役割・行為態様(法的には行為無価値と言います)生活状況などを指数化して、その掛け合わせによる算式が作られるべきです。
現行法の裁判では、量刑の前提たる事実認定の詳細を判決理由に書く必要がないことになっているので、(・・・・を総合判断して、主文の刑が相当である・・・」式の言い渡しで、懲役10年になったり8年になったり3年になったり、執行猶予になったりするのです。
細かな事実認定と量刑の関連性がはっきりしないので、せいぜい、事実誤認とか量刑不当とかの抽象的な理由を書いて控訴できるだけです。
細かな基準が公開され、これが法律の規範になれば、基準当て嵌めの事実誤認を法的に争えるようになります。
そして、基準該当性の争いを出来るようになれば、その基準の妥当性も公開の批判の対象になってくるでしょうから、基準そのものが検察や裁判所内部の独りよがりで決めているよりは、ずっと合理化される筈です。
法定刑の細分化・・たとえば、傷害罪で言えば、以下に紹介するようにいろんなパターンの傷害が一つの条文になっているから、裁量の幅が広すぎて・不当検挙と不当な判決の危険があるのです。
刑法
(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
実際の傷害行為には、ホンの軽微なもので、誰も警察に届けない程度のものから(友人・同僚間の一寸したけんか)、届けても説教で終わるらいのもの、あるいは罰金くらいは仕方がないと言うものでも、数万円の罰金で済むものもあれば、数十万円になるものまでいろいろあります。
さらには懲役刑のが必要なもの、たとえば刃物や道具を用いた者や、道具を用いないが結果が大きかったもの・・瀕死の重症になった場合・・・被害者数が多い場合など、文字どおり千差万別なのです。
このようにものすごい種類・パターンが考えられる傷害行為の類型があるのに、上記のようなたった一つの大雑把な条項をつくって、
「後はどうなるかは、全部警察や裁判所の裁量にまかせてくれ」
と言う法形式が問題なのです。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
