05/07/07
起訴基準の法定化4(ナチス授権立法)検察審査会法1
各種分野で専門化が進み、解釈のややこしい法律を一杯作るのは、時代の趨勢として仕方ないとしても、その規制に違反したら即刑事処罰に直結させることが可能な大幅な法定刑の設定が、法治主義を実質的に空洞化しているのではないかと言う懸念です。
たとえば傷害罪では、逮捕したり在宅で調べたり、不起訴処分から罰金(罰金も数万円から、何十万円までいろいろあります)まで、さらに公判請求になっても懲役15年までの広大な幅の法定刑があって、検察の一存で、起訴猶予にしたり、罰金の求刑もあれば懲役もあると言うのでは、裁量の幅が広すぎて、ナチスの授権立法同様の問題があるのです。
ナチス・ヒットラーによるホロコーストその他の無茶苦茶な人権侵害は、違法に行なわれたのではなく、国会における授権立法で、ワイマール憲法上合法的に行なわれたものでした。
いろんな法律を白紙にして、その内容を国会が行政府に一任してしまい、法治国家の空洞化を図ったのです。
現行刑法は無茶に法定刑の幅が広く、ナチスの授権立法に似ていますが、自然犯・・・殺人などでは、まだ誰でもわかるので許要範囲でしょうが、特許など技術的な法になってくると、検察の内部裁量に一任するのは危険過ぎるのです。
(事件にするかどうかは、検察がいいようにやるから安心してくださいと言う制度でいいのかと言う疑問です。
旧来の犯罪は、傷害や窃盗、強盗などは、元々許されない犯罪という認識を誰でも持っているのですから、やったこと自体が既に悪いことですから、検察の都合でお目こぼしがあってもそれは恩恵でしかなかったので、社会的に許容されていたのです。
自然犯(窃盗、強盗、殺人など)中心の時代には、違法行為があるのに、情実で法を曲げて起訴しない処分があった場合の是正策だけが重要でした。
ですから制度上も、不起訴処分に対するチェック制度としての、検察審査会制度があるだけです。
有力者の場合だけ違法行為を取り締まらないことのないようにする制度であって、本来起訴すべきではないのに起訴したとして、それを取り消せる制度は存在しないのです。
検察審査会法 (昭和23・7・12・法律147号)第1条 公訴権の実行に関し民意を反映せしめてその適正を図るため、政令で定める地方裁判所及び地方裁判所支部の所在地に検察審査会を置く。但し、検察審査会の数は、200を下つてはならず、且つ、各地方裁判所の管轄区域内に少くともその一を置かなければならない。
2 検察審査会の名称及び管轄区域は、政令でこれを定める。
第2条 検察審査会は、左の事項を掌る。
1.検察官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項
2.検察事務の改善に関する建議又は勧告に関する事項
2 検察審査会は、告訴若しくは告発をした者、請求を待つて受理すべき事件についての請求をした者又は犯罪により害を被つた者(犯罪により害を被つた者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹)の申立てがあるときは、前項第1号の審査を行わなければならない。
《改正》平12法074
3 検察審査会は、その過半数による議決があるときは、自ら知り得た資料に基き職権で第1項第1号の審査を行うことができる。
第3条 検察審査会は、独立してその職権を行う。
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