05/06/07
親告罪3(刑法75)告訴期間の撤廃と起訴便宜主義の危険性1
合理的な判断期間としては、5年も10年も時効になるまで保障する必要はないでしょう。
10年近くも保障するのは、被害者の権利保障を越えて、「江戸の仇を長崎で」式の権利濫用を助長するだけです。
このように、
「あまり時間がたってやって来た被害者の訴えに対しては、よほど特殊な事情がない限り警察が相手にしないから法定する必要がないでしょう。」
と言う理由で、親告罪の告訴期間の法定を止めてしまったのは、法治国家としては問題でしょう。
それなら、警察が扱うべき合理的期間を法定すればいいのであって、警察のサジ加減を行使する期間を10年も何故残すのでしょうか?
何もかも、「警察がいい様に按配するから・・・」警察がやりたければ、10年近く経っても事件に出来るチャンスを残そうと言うのは何のためでしょうか?
多分、10年近くも経ってから訴えたい被害者はいない筈ですし、実際に被害者が何かの意趣返しのために10年後に訴えても警察は相手にしない筈です。
それなのに、親告期間の法定だけを止めてしまったのは、警察の都合でやりたい場合を残しておこうという魂胆としか考え難いのです。
「警察や検察が悪いようにしないから・・・」という法律ばかり作るのでは、法治国家が形骸化してしまうのではないでしょうか?
この問題は、09/26/06「裁判所の中立化と自由心証主義」共謀法案の危険性その他でも書きました。
今回は、法定刑(ひいては時効期間)を理解していただくために、親告罪でもない普通の犯罪である傷害罪と親告罪の代表である刑法の性犯罪の条文を紹介しておきましょう。
刑法
(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第176条 13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
《改正》平16法156
(強姦)
第177条 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
《改正》平16法156
(準強制わいせつ及び準強姦)
第178条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
《改正》平16法156
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。
《追加》平16法156
(集団強姦等)
第178条の2 2人以上の者が現場において共同して第177条又は前条第2項の罪を犯したときは、4年以上の有期懲役に処する。
《追加》平16法156
(未遂罪)
第179条 第176条から前条までの罪の未遂は、罰する。
《改正》平16法156
(親告罪)
第180条 第176条から第178条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
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