05/03/07

刑事処罰拡大の危険性1(建設業法と宅建業法1)

前回貸金業法の条文で紹介したように、役員が、一寸した事件で検挙されて、有罪判決を受けると、関係業界から簡単に抹殺される仕組みになっているのです。
こうした資格制限は、貸金業法に限らず、かなりの業法で採用されています。
たとえば、ポピュラーな建設業法と宅建業法(不動産屋です)を見て見ましょう。
他にもいくらでもありますが、煩雑ですのでこの2種類だけ紹介しておきます。
いずれも貸金業法と同じく、禁錮以上の刑に処せられると(執行猶予もこれに入ります)以後5年間は役員になれないのです。
壮年期に5年間も何の会社の役員にもなれないのでは、文字どおり社会的発言力もなくなるし、人生が完全に狂ってしまうでしょう。
ここ数十年の間に、いろんな業種でこのような免許条件を設定するのが普通になってきて、政府の気に入らない経営者がいれば、過去のあら探しをして検挙すれば、社会から抹殺できるようになっているのです。
社民党の代議士辻元清美氏が、いきなり政治資金規正法違反で失脚したことは記憶に新しいでしょうが、彼女は、政治家ですから、過去に懲役刑の前科があっても政治家には資格制限がないので、完全に抹殺されるわけでは有りません。
このように、普通の商売をするのにも、刑事処罰を受けたものが、働けない社会を作って政府がにらみを利かす社会は問題です。

建設業法(昭和二十四年五月二十四日法律第百号)

(建設業の許可)
第三条  建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
第八条  国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十一号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
一  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
二  〜六号省略

七  禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
8号以下省略

宅建業法(昭和27・6・10・法律176号)  (免許)
第3条 宅地建物取引業を営もうとする者は、2以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。
《改正》平11法160
2 前項の免許の有効期間は、5年とする。
(免許の基準)
第5条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第3条第1項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合又は免許申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、免許をしてはならない。
1.成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
2の1.〜2の3省略
3.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
3の2.この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号の規定(同法第31条第7項の規定を除く。第18条第1項第5号の2及び第52条第7号ハにおいて同じ。)に違反したことにより、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
4号以下省略



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